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連分数展開 : ウィキペディア日本語版
連分数[れんぶんすう]
連分数(れんぶんすう、)とは、分母に更に分数が含まれているような分数のことを指す。分子が全て 1 である場合には特に単純連分数または正則連分数()ということがある。単に連分数といった場合、正則連分数を指す場合が多い。具体的には次のような形である。
:x=a_0 +\cfrac
ここで ''a'' は整数、それ以外の ''a'' は正の整数である。正則連分数は、最大公約数を求めるユークリッドの互除法から自然に生じるものであり、古来からペル方程式の解法にも利用された。
連分数を式で表す際には次のような書き方もある。
:x=a_0 +\frac\, \frac\, \frac
または
:''x'' = ''a'', ''a'', ''a''
また、極限の概念により、分数を無限に連ねたものも考えられる。
: \left;a_1 ,a_2 ,a_3 ,\ldots \right =\lim_ \left;a_1 ,a_2 ,\ldots ,a_n \right
二次無理数(整数係数二次方程式の根である無理数)の正則連分数展開は必ず循環することが知られている。逆に、正則連分数展開が循環する数は二次無理数である。
== 連分数展開の例 ==
例として黄金数 ''φ'' を考える〔岩本誠一・江口将生・吉良知文 黄金・白銀・青銅 : 数と比と形と率と 〕。''φ'' は ''x'' − ''x'' − 1 = 0 の正の解である。この式を変形すると、
:\begin
x^2 &=x+1 \\
x &=1+\frac \\
&=1+\cfrac \\
&=1+\cfrac
\end
以下同様にして、
:\phi =1+\cfrac
=
と表すことができる。
より一般的には、''x'' − ''nx'' = 1 の根を次のように表すことができる。
:n+\cfrac ==\frac \left( n+\sqrt \right)
== 連分数の計算方法 ==
いまある数 ''ω'' が与えられたとする。''ω'' を超えない最大の整数を ''a'' とし、
:\omega =a_0 +\frac
となるよう ''ω'' を定める。''ω'' が整数でないならば、''ω'' を超えない最大の整数を ''a'' とし、
:\omega_1 = a_1 +\frac
となるように ''ω'' を定めることができる。以下この作業を繰り返すことにより、''n'' 段までの連分数
:a_0 +\cfrac
を求めることができる。もし ''ω'' が有理数ならば、この作業は有限回で終了するが、無理数ならば無限にこの作業が続く。
\frac は ''ω'' に収束する。すなわち上記の作業を繰り返すことによりいくらでも実数 ''ω'' に近い有理数を求めることができる。また、''ω'' と連分数の差は
:\left| \omega -\frac \right| <\frac
となることが知られており、連分数はディオファントス近似の解を求める手段として有効である。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「連分数」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Continued fraction 」があります。



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