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連濁(れんだく)とは、二つの語が結びついて一語になる(複合語)際に、後ろの語(後部要素)の語頭の清音が濁音に変化する、日本語における音韻現象をいう。「ときどき」「いけばな」などがその例である。 名詞に由来する助詞にも見られる(「ぐらい」「だけ」「ばかり」)。 == 概要 == 複合語において、後部要素の語頭子音が カ行、サ行、タ行、ハ行 である場合(訓令式ローマ字だと、k, s, t, h で始まる場合)、それぞれ次のように変化する。 *カ行→ガ行 ( →): てがみ *サ行→ザ行 ( →, →): まきずし, もりじお(盛塩) *タ行→ダ行 ( →, →, →): やまでら, はなぢ, みかづき *ハ行→バ行 (, , →): きりばな, ひとびと, しあわせぶとり このうち最初の三つは単純な有声化であるが、四つめに関しては、日本語の歴史において → → の変化(唇音退化)が起きたために変則的になっている。 次に示すように、連濁は、無声子音が母音(有声音)に挟まれた時に、隣りの音の特徴に影響される同化現象であると理解されている。 toki + toki → tokidoki 加えて、元来日本語では閉鎖音や摩擦音では無声子音が無標であり、語頭に濁音は立たなかったことから、濁音によって語が結合していることを示す役割をもつものと考えられている。 また、は東日本の広い地域で鼻濁音となり、東北方言ではの前などにも鼻音を伴うことがある〔それらの方言では、共通語の濁音にあたるものが語頭以外ではすべて直前に鼻音を伴い、共通語のカ・タ行の清音にあたるものが語頭以外では鼻音を伴わずに有声化している。茨城方言(茨城弁): (鍵), (柿), (右), (幹)。したがって、 (茨城)にあたる共通語形は となる。〕。『日本大文典』などの資料によれば、前鼻音を伴う発音が古くはより広範に行われていたことが分かる。このことから、連濁を語の境界に置かれていた「の」の名残であるとする考え方、鼻音が挿入されたとする(子音挿入)考え方や、フィリピンなどのオーストロネシア語族の言語において単語間に鼻音を置いて結合を示す繋辞と関連させる説もあるが、確かなことは分かっていない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「連濁」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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