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運動性失語症 : ウィキペディア日本語版
失語症[しつごしょう]

失語症(しつごしょう、aphasia)とは、主には脳出血脳梗塞などの脳血管障害によっての言語機能の中枢(言語野)が損傷されることにより、一旦獲得した言語機能(「聞く」「話す」といった音声に関わる機能、「読む」「書く」といった文字に関わる機能)が障害された状態。高次脳機能障害のひとつ。
「聞く」「話す」「読む」「書く」全てのモダリティが障害される。よって、構音器官の麻痺などによる運動機能障害、先天的な構音器官の奇形などによる器質性障害など所謂構音障害とは異なる。また、声の出なくなる失声症などとも異なる。
病理学分野において、脳の特定部位の損傷が失語症の発生、その症候に強く関係することが分かっている。このことから、損傷すると失語症を起こすような部位を言語機能の中枢である言語野とみなすことができる。また、言語野は大脳半球の左右どちらかに偏在すること、統計的に利き手との相関性があることが知られている。総合的には90%以上の人で言語野は左大脳半球にあるとされる。
これについては脳機能局在論に詳しい。
発症原因は脳血管障害による言語野の損傷が大多数を占めるが、被殻視床など言語野以外の損傷によるもの、重度の脳炎、大脳の変性疾患アルツハイマー病ピック病など)など様々な原疾患が報告されている。
== 失語症の概念 ==
失語症とはいったん獲得された言語機能が中枢神経系の損傷によって言語の理解と表出に障害をきたした状態である。Kertezは失語症には3つの症状、即ち発語における誤り話し言葉の理解障害物品呼称の障害があるとしている。
;発語における誤り
「どうしました?」、「今何に困っていますか?」といった問いかけに対して、病歴を順序立てて話すことができる、あるいは長い文章をすらすらと話し誤りがなければ発語における誤りはないと考えてよい。
;話し言葉の理解障害
失語症の患者は他の高次機能障害の合併がなければ言語外の情報を得ることには問題はないため、言語外の情報を与えないように注意する必要がある。「左手で右の指を触ってください」など簡単な命令を行ってみる。障害が軽度である場合は簡単な命令ならば理解ができるので、時計、メガネ、鍵、鉛筆など物品を用意し、複雑な命令を行ってみる。例えば「時計の上に鍵をのせ、その鍵を私に下さい」などは二段階の命令であり軽微な理解障害の検出に役に立つ。
;物品の呼称障害
時計、メガネ、鍵、鉛筆など物品を用意し、「これは何ですか?」と尋ねる。言葉が出ないのか、あるいは言い間違えるのか、間違えるのは音なのか(字性錯語、音韻性錯語)、違うものを言うのか(語性錯語)といった点を調べる。障害が軽度の場合は見慣れないもので行う必要がありBoston Naming Test (BNT)などを行うこともある。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「失語症」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Aphasia 」があります。



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