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過剰修正(かじょうしゅうせい)は、ある語形・語法・文法・発音を、正しいものであるにもかかわらず、社会的に権威ある言語(共通語・標準語・文語・雅語など)を基準にした類推により、誤用であると誤解し、却って正しくないものに変えて使用すること。ハイパーコレクション()、過剰矯正、過修正などともいう。 == 日本語の例 == * 謙譲表現「読ませていただきます」を誤って「読まさせていただきます」とする「さ入れ言葉」は、このような謙譲表現を使い慣れないことに加え、「ら抜き言葉は誤りである」といった規範意識を誤って適用することから生じる。 * 外来語の発音に関する例 * 英語などに含まれるdiが外来語化される際、ディではなくデやジで置き換えられることがある(例:disco→デスコ)。そこから、外来語に含まれるデはディにする方が元の発音に近くなると誤解し、「正しい発音」のつもりで「ディ」と発音しないものまで「ディ」と読んだり書いたりする。 (例)デスクトップ (desktop) →ディスクトップ、バングラデシュ (Bangladesh) →バングラディシュ、デアゴスティーニ (De Agostini) →ディアゴスティーニ。 * インストール (install) という語の「ストール」を英語のstoolの日本語訛りと誤解し、「正しい発音」のつもりでインストゥールと読んだり書いたりする。 * 英語などでvと発音するものが外来語化される際、ヴではなくバ行音で置き換えられることがある(例:volleyball→バレーボール)。そこから、外来語に含まれるバ行音はヴと発音する方が元の発音に近くなると誤解し、「正しい発音」のつもりでヴと発音しないものまでヴと読んだり書いたりする。 (例)ベートーヴェン (Beethoven) →ヴェートーヴェン、アラブ (Arab) →アラヴ、デビュー (début) →デヴュー、バレンシア (València) →ヴァレンシア〔スペイン語の場合。バレンシア語や英語などの発音では「ヴァレンシア」の方が原音に近い。〕。 * 九州方言などでは、セやゼをシェやジェと発音することがあり、訛りとして指摘されやすい。そこから、「シェやジェという発音は全て訛りであり、標準語ではセやゼに直さなければならない」と誤解し、「正しい標準語」のつもりでジェイアールをゼイアールと発音する。 * 書記言語や正書法は実際の発音通りには書かれないことがしばしばあるが、そのような場合に表記通りに発音することが正しい発音であると誤解されることがある。例えば、「~という」と言う時の「いう」はユーと発音するのが自然であるが、表記につられてイウと発音するなど。 * 歴史的仮名遣いで「ひ」と表記するものを現代仮名遣いでは「い」と表記する場合がある(例:仮名遣ひ)。そこから、現代仮名遣いで「い」と表記するものは歴史的仮名遣いでは全て「ひ」と表記すると誤解し、歴史的仮名遣いを使おうとして「美しい」や「分からない」を「美しひ」や「分からなひ」と表記する。 * 漢字を手書きする際には様々な書き方があり、第二次世界大戦後の漢字政策でも、印刷文字は字形の統一や簡略化が進められたものの(当用漢字・常用漢字)、手書き文字に関しては文字特有の骨組みが同じであれば細部の違いは誤字としない方針がとられてきた。しかし、「木の2画目をとめるか撥ねるか」など、必要以上に漢字の細部にこだわり、本来問題視されるべきでない書き方まで誤字と見なす風潮が広まっており、2016年2月29日にはこの風潮を憂慮した文化庁が改めて指針を出す事態となっている。〔常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)について 、文化庁、2016年2月29日更新、2016年4月2日閲覧。〕 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「過剰修正」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Hypercorrection 」があります。 スポンサード リンク
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