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遡及処罰 : ウィキペディア日本語版
法の不遡及[ほうのふそきゅう]

法の不遡及(ほうのふそきゅう)とは、実行時に適法であった行為を、事後に定めた法令によって遡って違法として処罰すること、ないし、実行時よりも後に定めた法令によってより厳しい罰に処すことを禁止する、大陸法系近代刑法における原則。
事後法の禁止遡及処罰の禁止法律不遡及の原則ともいう。
== 概要 ==
大陸法英米法どちらにおいても採用された原則であり、フランス人権宣言第8条にその原型がある。またアメリカ合衆国憲法第1条第9節ならびにドイツ連邦共和国憲法第103条2項に規定がある。日本では刑法の自由保障機能(罪刑法定主義)の要請によって認められた原則である。市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)15条にも同様の定めがある。
ただしこの原則は刑事被告人の利益のためのものであるため、刑事被告人に有利になる場合はこの限りでない。たとえば行為後に法定刑が軽減された場合、軽い方の刑に処せられる。例として、尊属殺人重罰規定の廃止、犯行時の死刑適用年齢が16歳だったのを18歳へ引き上げ、死刑制度廃止前に死刑になる犯罪を犯した場合などが挙げられる。
「法律なくして刑罰なし」の法諺に象徴される罪刑法定主義思想はローマ法に起源を持つものではなく、1215年のマグナ・カルタに淵源をもち18世紀末の西欧革命期に欧米で確立した法概念である。現代でもコモン・ローを背景とする英米法思想では比較的寛容であり、また行政措置や民事裁判においてはしばしば法の不遡及について例外措置が取られる。国際法においては自由権規約15条2項に不遡及の例外が言及されており国際慣習法(コモンロー)に配慮したものである。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「法の不遡及」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Nullum crimen, nulla poena sine praevia lege poenali 」があります。



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