|
遷移元素(せんいげんそ、transition elements)とは、周期表で第3族元素から第11族元素の間に存在する元素の総称である〔 ''transition element '' IUPAC. Compendium of Chemical Terminology, 2nd ed. (the "Gold Book"). Compiled by A. D. McNaught and A. Wilkinson. Blackwell Scientific Publications, Oxford (1997). XML on-line corrected version: http://goldbook.iupac.org (2006-) created by M. Nic, J. Jirat, B. Kosata; updates compiled by A. Jenkins. ISBN 0-9678550-9-8. .〕〔IUPAC REDBOOK p.43:IUPAC Nomenclature of Inorganic Chemistry. Third Edition, Blackwell Scientific Publications, Oxford, 1990. 〕。遷移金属(せんいきんぞく、transition metals)とも呼ばれる。第12族元素(亜鉛族元素、Zn、Cd、Hg)は化学的性質が典型元素の金属に似ており、またイオン化してもd軌道が10電子で満たされ閉殻していることから日本では一般に典型元素に分類されるが、遷移元素に分類される例も多く見られる〔。 遷移元素の単体は一般に高い融点と固さを有する金属である。常磁性を示すものも多い。鉄、コバルト、ニッケルのように強磁性を示すものも存在する。 また化合物や水和イオンが色を呈するものが多い。種々の配位子と錯体を形成することができ、触媒として有用なものも多い。 == 歴史 == ドミトリ・メンデレーエフが周期表(短周期表)を作成した当時はまだ希ガスが同定されておらず、今日の第3族–第7族元素で発見されているものも少なく、また発見されていたものが多い第8–第10族元素に属する元素であっても1つの族(VIII族)にまとめられていた。というのも、短周期表を区分する物性や化学的性質は、s電子やp電子など、主に最外殻電子の性質に由来するものであり、d電子やf電子などの内殻電子の構成に由来する元素の変化は目だって現れなかったためである。メンデレーエフは原子量順に並べると、化学的性質の異なるVII族とI族の間に、性質の似通った3つの元素の組から構成されるVIII族元素が配置できることを見出し、これら金属元素は19世紀の最終四半世紀ごろからVII族とI族を繋ぐ元素グループという意味で「遷移金属」(:de:Übergangsmetalle/:en:transitional metal)と呼ばれるようになった〔 〕。 その後第3族–第7族元素の発見により周期表も改良され、今日の第1・2および12–18族元素から構成される典型元素(短周期族名の後にAをつけて区別する)と第3族–11族元素から構成される遷移元素(短周期族名の後にBをつけて区別する)が短周期表の中で分類されるようになった。 その後、量子化学により元素のもつ電子殻の構造が理解され、K、L、M電子殻やそれを構成するs、p、d、f電子軌道など電子ブロック分類に基づく長周期表や拡張周期表で元素が分類されるようになり、第3–第11族元素を指して「遷移元素」と呼ぶようになった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「遷移元素」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Transition metal 」があります。 スポンサード リンク
|