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選択毒性 : ウィキペディア日本語版
選択毒性[せんたくどくせい]
選択毒性(せんたくどくせい)とは、特定種類の生物にとってのみ致命的な毒性を発揮する性質のこと。
==概要==
選択毒性は、所定の種類の生物に対してのみ(少量ないし微量で生命活動を阻害したり致死させる物質の総称)として働く性質のことで、この性質を持つ物質は選択毒とも呼ばれる。
選択毒の例としては、医療の分野では抗生物質が、環境衛生の範疇では殺虫剤などが一般に利用されており、人間健康や生活の質を向上させる一助にもなっているが、余りに多用し過ぎると対象となった生物が薬剤耐性を獲得、この利便性が損なわれ、場合によってはより問題が深刻化することもある(後述)。
自然界における選択毒の多くは、有毒植物など毒をもつ生物が自身の体を防衛するための化学防衛(毒性物質を体内に溜め込み捕食からのがれようという生存戦略の一つ)に利用していたり、逆に動物が捕食に際して獲物を捕らえやすくするために利用されている。これらは毒を保有する生物自身の体には影響しないが、これを捕食した場合ないし体内に注入された側は毒としての影響を受ける。
なお、地球上で非常にありふれていながら選択毒性を示す物質も多い。例えば酸素は、一般に言う所の呼吸である好気呼吸をする生物にとっては、一定濃度で環境に含まれる必要がある(ただし高濃度で与えたりオゾンの状態では有害)が、嫌気呼吸をする生物にとっては致命的な物質である。好気呼吸生物は抗酸化作用で酸素の害を防いでいるが、嫌気呼吸生物はその機能を持たない。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「選択毒性」の詳細全文を読む



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