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酷道(こくどう)とは、日本の道路の俗語で、一般国道のうち乗用車による通行が困難であるなど文字通り「酷(ひど)い状態の国道」を、「国道」の読み(こくどう)に引っ掛けて揶揄するものである〔『酷道をゆく』3、4頁。〕〔「国道?なんて酷い道」 『日本経済新聞』 2012年11月13日〕。古くは1958年に書かれた阿川弘之の紀行文『東北国道二千キロ』〔『阿川弘之全集 第16巻』(新潮社 ISBN 4-10-643426-1)〕、道路地図〔『ツーリングマップルR 九州・沖縄』(昭文社 2007年1版1刷 ISBN 978-4-398-65707-7)国道265号の旧道である国見峠に対して用いられている。国見峠が国道265号の路線として指定されていた時代に発刊された『ツーリングマップ』1991年版も同様。〕や自治体史〔『五ヶ瀬町史』 五ヶ瀬町、1981年、513頁。国道218号の旧道である津花峠に対して用いられている。〕、新聞〔『西日本新聞』 1995年5月21日21頁、宮崎版。当時国道265号の現道区間であった国見峠に対して用いられている。〕、紀行記〔宮崎日日新聞社『各駅停車全国歴史散歩』河出書房新社、1984年。「青井岳駅」の項目で当時未改良であった国道269号に対して用いられている。〕、国会発言〔第34回国会衆議院地方行政委員会議録第29号(1960年5月11日)、9頁。「週刊雑誌」からの引用として発言。その他に第61回国会参議院産業公害及び交通対策特別委員会会議録第4号(1969年2月28日)、24頁など。〕にも使用例がみられる。 == 概要 == 一般的に「国道」と言えば、 * 都市間、都道府県間を結び、地域の道路交通の基幹たる幹線道路 * 交通量が多く、片側一車線以上の広い道幅が確保されている * 歩行者の安全確保の為、路側の両側に十分な広さの歩道が確保されている * 案内表記等がわかりやすいものとなっている * 市街地の沿道ではロードサイドショップ等の商業施設やオフィスなどが立ち並ぶ * 山間部でもトンネルや橋梁で容易かつ短時間での通過が実現されている この様な「適切な整備が実施されている利便性の高い重要な都市間道路」というイメージが連想されることが多い。 「酷道」という言葉は、国道として指定をされていながらも、そのようなイメージとは正反対の実情を持つ整備状態の悪い道路の俗語として使われている。 現在では道路踏破趣味の一分野としてこの「酷道」を走破する事に情熱を傾ける「酷道マニア」の存在も成立しており、インターネット上には「酷道」を走ったもしくは歩いた時の状況などを記したレポートや旅行記も多数存在するほか、車載カメラで走行中の前方の景色を撮影・編集して動画サイトで車載動画を紹介する人も少なからず見られる〔『酷道をゆく』裏表紙など。〕。その中には趣味が高じて何らかの知名度を得て、一種のアウトドア系ライターなどのプロ・セミプロ的な活動を行っている人物もおり、酷道を扱った単行本やムック、DVDなどの販売もされるほどである。また、テレビ東京の土曜スペシャルでで酷道を行く番組が定期的にある。 こうした「酷道」も、道路管理者によってバイパス改築や拡幅事業など、年々整備改良がおこなわれており、少しずつ解消されつつある。また、バイパスなどの整備によって旧道となった「酷道」は、国道の指定を外れ都道府県道もしくは、市町村道などに降格となることが多く、特に山岳地などで道路の安全確保維持が難しく、将来的に利用価値が見込めないケースでは廃道となる場合もある。 地方自治体にとって一般国道の指定は、国から補助金を得て、整備状態の悪い道路(=酷道)を改善する手段のひとつであったため、とりわけ1993年に新規指定された450号から507号までの一般国道については、それまで都道府県道までしか通っていなかった自治体からの国道昇格請願が多数あったといわれている。しかし、こういった一般国道の場合、他の国道と比較して元々交通量が少ない道路であるなどの理由から道路改良整備の優先度が低く、道路改良事業化が後回しにされているのが実状となっている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「酷道」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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