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酸化還元 : ウィキペディア日本語版
酸化還元反応[さんかかんげんはんのう]

酸化還元反応(さんかかんげんはんのう)とは化学反応のうち、反応物から生成物が生ずる過程において、原子イオンあるいは化合物間で電子の授受がある反応のことである。英語表記の Reduction / Oxidation から、レドックス (Redox) というかばん語も一般的に使われている。
酸化還元反応ではある物質の酸化プロセスと別の物質の還元プロセスが必ず並行して進行する。言い換えれば、一組の酸化される物質と還元される物質があってはじめて酸化還元反応が完結する。したがって、反応を考えている人の目的や立場の違いによって単に「酸化反応」あるいは「還元反応」と呼称されている反応はいずれも酸化還元反応と呼ぶべきものである。酸化還元反応式は、そのとき酸化される物質が電子を放出する反応と、還元される物質が電子を受け取る反応に分けて記述する、すなわち電子を含む2つの反応式に分割して記述することができる。このように電子を含んで式化したものを半反応式、半電池反応式、あるいは半電池式と呼ぶ。
== 酸素が関与する酸化還元反応 ==
狭義には酸化あるいは還元とは金属と酸素との化学反応を示す呼称であった。例えば、金属空気中の酸素と徐々に反応し、表面は褐色の酸化銅(II) (CuO) に変化する。酸化銅(II)は高温で炭素と反応させると酸素が奪われて元の金属銅に変化する。前者を酸化といい後者を還元と呼ぶ。このとき、銅を中心に反応を見ているわけであるから、銅を酸化する物、すなわち酸素は酸化剤である。また、酸化銅(II)を還元して金属に戻す炭素は還元剤になる。一方で酸素分子の立場から見ると、前者の銅の酸化反応では、酸素分子は最終的に酸化銅(II)に含まれる酸化物イオンとなり還元されている。すなわち酸素の酸化数は0から-2に変化しており、このとき金属は酸素に対して還元剤として働いているとみなせる。また、後者の酸化銅(II)の還元反応では、炭素は最終的に二酸化炭素になり、炭素の酸化数は0から+4に酸化されている。すなわちこのとき酸化銅(II)は炭素に対して酸化剤として働いている。前者の反応は電子反応論に立つと、金属銅は電子を2個失い、同時に酸素(原子)は金属銅からその2個の電子を受け取ってオクテット則を満たす酸化物イオンとして安定化されている。したがって、酸化還元反応とは、単なる酸素原子の授受に限らず、次に述べるように、物質間の電子の授受を伴う反応であると広義に考えることができる。今日では、この広義の定義が広く用いられている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「酸化還元反応」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Redox 」があります。



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