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酸素中毒(さんそちゅうどく)とは、超高分圧の酸素を摂取した場合、またはある程度高分圧の酸素を長期にわたって摂取し続けることによって、身体に様々な異常を発し最悪の場合は死に至る症状である。特にスクーバダイビングなど、空気あるいは混合ガスを用いての潜水時に起こりやすい。 酸素中毒に対する誤解として酸素濃度だけを問題にすることが見受けられるが、上記のとおり酸素分圧が問題であるため大気圧で純酸素(酸素100%のガス)を吸入した場合であっても制限時間内であれば問題は無く(実際に医療行為として行われる)、低圧であれば初期のアポロ計画のように船内気圧を1/3にして純酸素で船内を満たしても、長時間の試験を行える。逆に通常の空気(酸素約21%)であっても深度の潜水などの高圧環境で、酸素分圧が高くなれば酸素中毒を起こす(後述)。 == 潜水と酸素中毒 == 酸素は人間の生体活動になくてはならないものであるが、潜水中に呼吸するガスに含まれる酸素の分圧が2気圧程度を超えると、全身の激しい痙攣などを発症し最悪の場合は死亡する。このような症状を急性の酸素中毒と呼ぶ。また酸素分圧が急性の酸素中毒を発症するほど高くなくても、ある程度高い分圧の酸素を長時間にわたって呼吸すると、肺の障害などさまざまな症状が発生する。これを慢性の酸素中毒と呼ぶこともある。 これら急性あるいは慢性の酸素中毒を防ぐためには、呼吸ガス中の酸素分圧は通常で1.4気圧以下、特別な場合でも1.6気圧以下に保つとともに、酸素分圧に応じた潜水時間の制限を設けることが必要とされている。 スクーバダイビングで使用するタンクのことを「酸素ボンベ」と呼ぶ者がいるが、これはとんでもない誤解である。仮に純酸素(酸素100%のガス)を呼吸した場合、水深10m以上へ潜水するとほぼ確実に急性の酸素中毒を発症する。スクーバダイビングで使用するタンクに充填されているのは通常は普通の空気(大気)であり、特殊な場合でも酸素の割合が40%以下の混合ガスである。ただし減圧用の混合ガスは酸素の割合が50%以上から純酸素まで使用される。 もちろん空気潜水(通常の空気を呼吸する潜水)であっても、水深約70mまで潜水すると酸素分圧は1.6気圧に達し急性の酸素中毒の危険性が非常に高くなるので、たとえ窒素中毒に対する耐性が高くとも空気潜水でこのような大深度まで潜水することは非常に危険な行為である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「酸素中毒」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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