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量子回帰定理 : ウィキペディア日本語版
量子回帰定理[りょうしかいきていり]
量子力学において、量子回帰定理(りょうしかいきていり、)とは、量子状態時間発展に関する定理。エネルギー固有状態として、離散準位のみをもつ量子系は時間発展により、初期状態のいくらでも近くに回帰することを主張する。古典力学におけるポアンカレの回帰定理の量子力学版に相当する。1957年にP. BocchieriとA. Loingerによって、示された〔P. Bocchieri and A. Loinger,"Quantum Recurrence Theorem," ''Phys. Rev.'' 107, 337 (1957)〕。

== 概要 ==
エネルギー固有値として、離散準位のみを持つ量子系において、系の状態ベクトルをで表す。このとき、任意の正の定数と任意の初期時刻に対し、

|| \,|\psi(T)\rangle-|\psi(t_0) \rangle ||< \epsilon

を満たす時刻が存在する。
この定理は、古典力学での有限領域内の運動は、初期状態のいくらでも近くに回帰するというポアンカレの回帰定理の量子力学版となっている。ポアンカレの回帰定理では、運動は有限領域内という仮定がなされるが、これは量子系では有限系のエネルギー準位が離散的であることに対応している。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「量子回帰定理」の詳細全文を読む



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