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金子本源氏物語[かねこほんげんじものがたり]
金子本源氏物語(かねこほんげんじものがたり)とは、源氏物語の写本のこと。 == 概要 == 河内本系統の本文を持つ源氏物語の写本として比較的早くからその存在が明らかにされた写本のひとつであり、國學院大学や慶應義塾大学で教授を勤めた国文学者の金子元臣(1868年 - 1943年)の所蔵となり、金子自身が「金子本」と命名して青表紙本系統の本文を持った江戸時代の版本である湖月抄を底本として金子が作成した校本『定本源氏物語新解』(明治書院、1926年(大正15年)から1930年(昭和5年))に河内本を代表する写本として平瀬本とともにその校異を掲載したことによって広く知られるようになったため一般にこの名称で呼ばれている。金子は、本写本について、1925年(大正14年)9月に出版した『定本源氏物語新解 上』において「十二三数年前に図らずも入手した」と述べているがそれ以前の伝来は不明である。旧注の一つ『明星抄』は、この「耕雲本」を「青表紙本にあらず河内本にあらず」と述べており、それ以後の古注釈書のいくつかも大筋でこの記述を受け継いで来たため、かつてはこの「耕雲本」については「耕雲本」原本とそこからの転写本を一つの系統と考えて青表紙本でもなく河内本でもない耕雲が整えた第三の系統の本文であると考えられていた。これに対して金子は河内本であるとされた平瀬本の本文とこの「金子本」の本文とを具体的な比較を行うことによって、『明星抄』の説に異を唱え、初めて「耕雲本とは河内本である」とした〔金子元臣「金子本」『定本源氏物語新解 上』明治書院、1925年(大正14年)9月、pp. 7-9。 〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「金子本源氏物語」の詳細全文を読む
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