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金属カルボニル(きんぞくカルボニル、)は、一酸化炭素を配位子にもつ遷移金属錯体である。これにはニッケルカルボニル Ni(CO)4 のようなホモレプティックな(CO 配位子のみを含む)錯体があるが、一般的には金属カルボニルは Re(CO)3(2,2'-bipyridine)Cl のように複数の配位子をもつ。一酸化炭素はヒドロホルミル化のような多くの化合物の合成における重要な原料である。金属カルボニル触媒はその利用において中心的な位置を占める。ヘモグロビンと結合してカルボキシヘモグロビンを与え、ヘモグロビンを酸素と結合できなくさせる性質のため、金属カルボニルは有毒である〔Elschenbroich, C. ”Organometallics” (2006) Wiley-VCH: Weinheim. ISBN 3-527-29390-6〕。 == 構造と性質 == 金属カルボニルは一般的に水に溶けにくい。 : 一酸化炭素はπ *逆供与結合で遷移金属と結合する。結合は3つの要素をもち、部分的な三重結合性を与える。σ結合は金属の s, p, d 軌道からなる混成軌道と、C 上の孤立電子対との重なりによって生じる。1対のπ結合はC から突き出た1対のπ *反結合性軌道と、金属の満たされたd軌道との重なりによって生じる。後者のπ結合は金属がd電子をもっており、比較的低い酸化状態 (<+2) にあることを必要とする。逆供与結合は遊離一酸化炭素と比較して C-O 結合を弱める働きをする。M-CO 結合の多重結合性のため、この結合長は< 1.8 Åと、金属-アルキル結合と比較して0.2 Åほど短い。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「金属カルボニル」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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