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地球における金星の日面通過(きんせいのにちめんつうか)とは、金星が太陽面を黒い円形のシルエットとして通過していくように見える天文現象である。金星が地球と太陽のちょうど間に入ることで起こる。日面経過や太陽面通過とも呼ばれる〔。記録に残る初の観測は、1639年にエレミア・ホロックスによってなされた。 金星の日面通過は直近では協定世界時2012年6月5日から6日にかけて起こった。次回は2117年12月10日から11日に起こる。 金星の日面通過を観察することで、地球と太陽の間の距離が算出可能となる。1761年と1769年の日面通過では、この距離を得ることを目標して欧州を中心として国を超えた国際的な観測事業が行われ、世界各地に天文学者が派遣された。この観測プロジェクトは科学における初の国際共同プロジェクトとも評される == 日面通過の経過 == ファイル:Venus transit 2012-06-06.JPG|2012年6月6日12時10分、新潟市内にて ファイル:金星日面通過.JPG|2004年6月8日17時28分、長崎市内にて ファイル:Transit of Venus at Takamatsu Japan June 6 2012.jpg|2012年6月6日7時29分、高松市内にて ファイル:金星日面通過2012.jpg|2012年6月6日10時40分、宮城県内にて ファイル:Transit of Venus Handa Aichi 2012.JPG|活発な黒点と金星日面通過。2012年6月6日10時20分、半田市内にて ファイル:Transit of venus 2012 Handa Aichi movie.gif|金星日面通過の動画 2012年6月6日、半田市内にて ファイル:Venus transit 6 June 2012.jpg|金星と日、モスクワからの眺め 日面通過の間、金星は太陽の表面を東から西へ動いていく小さな黒い円盤のように見える。天体が太陽の手前を通過し、それによって太陽の一部が隠されるという点で日食と似ている。しかし、日食において太陽を隠す月の視直径(地球から見た見かけの直径)が約30分とほぼ太陽と等しいのに対し日面通過時の金星の視直径は約1分と太陽のおよそ30分の1しかない。金星は直径が月の約4倍もあるにもかかわらず、視直径がこのように小さいのは、日面通過時の金星は地球からの距離が約4,100万キロメートルであり、月(地球から約38万キロメートル)の100倍以上も遠くにあるためである。 日面通過の開始前、金星は太陽の東側から太陽に徐々に接近してくる。しかしこの時には金星は夜側の面を地球に向けているため、見ることはできない。続いて金星が太陽面に接触する。この瞬間を「第1接触」という。さらに金星が太陽面の内側に入り込み、金星が完全に太陽面上にのった瞬間を「第2接触」という〔。第1接触から第2接触までは約20分かかる。その後金星は太陽面上を西へ移動していく。金星が太陽面の中心に最も近づいたときを「食の最大」という。さらに金星は太陽面上を西に進み、太陽の反対側の縁に到達する。この瞬間を「第3接触」という〔。第2接触から第3接触までにかかる時間は、金星が太陽面の中心にどれだけ近い部分を通過するかで大きく変わるが、2004年と2012年の金星の日面通過では約6時間である。さらに金星が西へ進み、完全に太陽面から離れた瞬間を「第4接触」という〔。第3接触から第4接触までは約20分である。このように長い時間がかかる現象であるため日の出前にすでに日面通過が始まっていたり、日没時にまだ日面通過の途中である場合があり、全過程を観測できる観測地は限られる。2004年の日面通過においては中央アジアからヨーロッパで全過程の観測が可能であった〔 〕。2012年の日面通過ではハワイから東アジアで全過程の観測が可能であった。 第2接触の直後と第3接触の直前に金星の形が円形からずれて太陽の縁から滴り落ちる水滴のような形となり、しばらく太陽の縁にくっついた状態が数十秒間続く現象が知られている。これはブラック・ドロップ効果と呼ばれる。この現象のため、第2接触と第3接触の正確な時刻を測定するのは困難であると考えられていた。しかし、近年の観測ではブラック・ドロップ効果は観測されず、これは望遠鏡のピントが合ってないなどの理由による見かけの現象だとされている〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「金星の日面通過」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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