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金曜日の妻たちへ : ウィキペディア日本語版
金曜日の妻たちへ[きんようびのつまたちへ]

金曜日の妻たちへ』(きんようびのつまたちへ)は、1983年昭和58年)にTBS系列で放送された連続テレビドラマである。
製作は木下プロダクション(現在のドリマックス・テレビジョン)、金曜ドラマ枠(毎週金曜日22:00 - 22:54、JST)で放送。
==概要==

*核家族間の交流とそこに起きる不倫を題材にしており、『不倫ドラマ』として、『金妻(キンツマ)』の略称でも広く知られ、放送日の金曜夜10時には主婦が電話に出ないとまでいわれるほど大ヒットした。
*ドラマの主要な登場人物は年齢が30代から40代前半の既婚男女らであり、生活程度は『中の上』、東京郊外の新興住宅地に暮らしている〔如月小春 防人たちの石の箱 『都市の遊び方』 (新潮文庫) 昭和61年4月発行〕。この世代はちょうど当時の団塊の世代に当たり、在来のホームドラマがうまく描ききれなかった新しい世代の人間関係と庶民の手が届く範囲のリッチ感覚にあふれる生活様式を明確に打ち出したことにより主婦層から支持されただけでなく、大人の恋に憧れるOL・学生を含む世代にもに大いに受けて人気ドラマとなった〔。舞台になった東京近郊の多摩地区東急田園都市線沿線の新興住宅街でのおしゃれな暮らしぶりも話題となった。
*本作はシリーズ化され、翌1984年(昭和59年)には第2シリーズ、1985年(昭和60年)には第3シリーズが製作された。第1シリーズから人気が高く話題を呼んだが特に第3シリーズにおいては主題歌のヒットとともに金妻ブームを起こした。しかしすべて続編というわけではなく、設定や配役を変えた変奏曲的作品である。
*1980年代後半から1990年代前半にかけて大ブームとなったトレンディドラマの先駆けでもある。特に第3シリーズは家庭と仕事を両立させている女性が描かれ、女性が社会進出をしていった時代と重なり「エポックメイキング」的な作品である。
*「不倫」という言葉はそれ以前のテレビドラマでは「よろめき」(主として、夫のある女性が、他人の男性に心を寄せる)という言葉が一般的に使われていたが、「金妻」以降はほぼ死語になっている(なお“よろめき”は三島由紀夫が1957年に発表したベストセラー小説「美徳のよろめき」に由来する)。今作のおしゃれな雰囲気と自分の人生を謳歌する女性の姿は、以前のよろめきドラマの主人公が背徳感にさいなまれる弱い女性であったこととは大きく異なり「不倫」という言葉を世に広めて以降のドラマでジャンルを確立した。
*ドラマの人気を受けて本シリーズでロケされた田園都市線沿線の区画整理された閑静な住宅街は直後のバブル景気とともに地価が急騰した。〔asahi.com 愛の旅人 桐子と秋山 http://www.asahi.com/travel/traveler/TKY200802290157.html〕。
*1960年代から1970年代にかけて歌手として人気を博した、小川知子いしだあゆみ森山良子などが勢ぞろいしたこともドラマの人気に拍車をかけた。
*当時は結婚してからは夫は仕事に妻は家庭に専念すべきという固定観念が強く残っていたが、このドラマの主人公たちが結婚し子供を持っても自分の生活を楽しみ友人たちと学生時代のように集い過ごす姿は羨望とともに受け入れられた。
*ドラマ内で使われた小道具にもこだわりがあり、主人公たちのおしゃれな雰囲気をさりげなく印象付けていた。第3シリーズではいち早く、端末自由化された電話機が使用されている(当時電電公社が民営化され、電話機はレンタルするものから、家電店などで自由に購入できるようになった過渡期であった)。
*登場人物の設定が実際の俳優の経歴(出身地、スポーツ、出身大学など)に近いのもこのドラマの特徴である。
* 第3シリーズ放送終了から約1年後に東京郊外という舞台設定や出演者とスタッフの顔ぶれがほとんど同様の「金曜日には花を買って」が放送された。しかし、「金妻」シリーズの生みの親である鎌田敏夫は本作には参加しておらず、脚本は松原敏春が手がけている。また「金妻」シリーズでは女性の不倫を主題にしているが、男性の不倫を主に描いている。
*シリーズすべての脚本を担当した脚本家・鎌田敏夫の代表作のひとつともなっている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「金曜日の妻たちへ」の詳細全文を読む



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