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金田一耕助の冒険 : ウィキペディア日本語版
金田一耕助の冒険[きんだいちこうすけのぼうけん]

金田一耕助の冒険』(きんだいちこうすけのぼうけん)は、1979年公開の日本映画横溝正史の小説『瞳の中の女』の映画化で、大林宣彦監督、古谷一行主演。地方では『蘇える金狼』と2本立てで公開された。
なお、金田一耕助を主人公とする短編推理小説を集めた同名の短編集が、1975年に春陽堂文庫から、1976年に角川文庫から刊行されている。原作となった「瞳の中の女」はその収録作の一つである。
== 概要 ==
盗まれた石膏像の頭部にまつわる連続殺人事件を金田一耕助の活躍で解決に導くミステリー・コメディ映画。角川映画による金田一耕助シリーズのひとつ。原作となった「瞳の中の女」は作品が解決しないで終わる。この事件をちゃんと解決させようというのが、本作の基本プロットである〔。
テレビ版『横溝正史シリーズI・II』(毎日放送映像京都+三船プロダクション+大映(京都)+東宝 1977-78年)で金田一を演じて好評だった古谷一行が主演を務め、原作者である横溝正史がセルフパロディを含む本人役、製作の角川春樹が団地の亭主、高木彬光が床屋の客、三船敏郎が11代目金田一耕助として出演している。
1978年暮、石上三登志責任編集の映画雑誌「映画宝庫」での石上とのリレー対談で、大林宣彦が当時既に悪評が高かった角川春樹を高評価してラブコールを送る〔。角川がそれに応えて監督に、当時新進気鋭の大林を起用した〔。角川はもとから黒澤映画のような大作と、アート系のローバジェット映画の両方をバランスよく作りたかったが、ビッグバジェットの方は撮ってくれても、ローバジェットの方は撮ってくれる人がいなかった。角川はそれを黒木和雄長谷川和彦に撮って欲しかったが、「角川映画だけはやりません」などと言われ誰も撮ってくれなかった〔。大林が手を挙げたので角川はとても喜んでいたという〔。当時角川は10億だ、20億だと莫大な製作費を次ぎ込んで大作映画を撮っていて「角川春樹はうるさいプロデューサーだ」という噂で持ちきりだったが〔、大林と角川は意気投合し、本作を大林初の角川映画として撮り、大林はその後1992年まで角川映画最多の6作品の監督を務める〔。角川は「大金をかけて映画を作った」と批判されていることを認識していたため「お金をかけずに面白い映画を作ろう」と大林に持ちかけた〔。プロデューサーの角川が原作者の横溝正史の家へトランクいっぱいの札束を運んできて、横溝が「さすが大作映画ですなあ」とトランク内を見ると中身は白紙を挟んだ贋の札束。すかさず横溝が「中身は薄いですなあ!」と言うシーンがあり、これは当時、誇大宣伝によって客は集めるものの、中身は薄いと言われ続けた角川映画のパロディであり、その批判精神を一番面白がったのは角川自身であった。角川は「これまでやったことのない喜劇を、ぜひ一本作ってみたかった」「金田一シリーズの別冊付録であり、最後に番外編を一本やって区切りをつけたいと思った」大林は「角川春樹と大林宣彦に対する非難のすべてをギャグにしてやろうという、たいへん身も蓋もない、多少ネクラな悪ふざけをやってみよう」と本作を作ったと述べている〔。当時の大林の作風であったシュールな特殊効果がふんだんに使われている。また、全編にわたって当時大ヒットしていた邦画洋画、過去の名画、CMや角川映画、歌謡曲などのパロディが盛り込まれており、日本初のパロディ映画といわれる〔。 

その上、過去の金田一シリーズのセルフパロディ要素もあり、金田一シリーズのお約束である「人が次々と殺される」「複雑な因縁」「あまり役に立たない金田一」といった面を徹底的にパロディとして扱っている。ラストシーンでは、「金田一耕助は何故、被害者が増える前に事件を解決できないのか?」というミステリファンの長年の疑問に対して、金田一自らがその理由を熱弁するという異色なものとなっている。
東映洋画部の宣伝部員・野村正昭が「''これでも映画か!''」というキャッチフレーズを創案して「宣伝コピー監督賞」を受賞した。
本作は横溝ファンの間でも大林映画ファンの間でも評価は低く、無視されるか、貶されるかどちらかである〔。 

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「金田一耕助の冒険」の詳細全文を読む



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