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鉛套弾 : ウィキペディア日本語版
鉛套弾[えんとうだん]
鉛套弾(えんとうだん)は、弾丸の一種で、弾丸の外周をで覆ったものである。柔らかい鉛の被膜にライフリングが食い込むことで、弾丸に回転を与え、ジャイロ効果により弾道が安定する。
==歴史==
鉛套弾は、後装式ライフル砲とともに生まれた。1846年スウェーデン人の男爵ワーレンドルフが考案した。プロシアフランス、スウェーデンで試験された。結果はあまりよくなかったが、プロシアは改良を加え、再試験ではきわめて良い結果を得た。ほとんど同時にイギリスでも新式火砲に採用した。1863年文久3年)イギリス艦船の鹿児島砲撃(薩英戦争)、翌年の下関戦争で使用された弾丸は鉛套弾であった。
日本では1864年元治元年)佐賀藩が十二封度砲用鉛套弾を購入したのが最初である。明治維新以来、購入したブロドウェル山砲、式八糎野砲、式二吋半、同十二斤、同九糎野砲などの弾丸は鉛套式であった。
鉛套弾は与えられる旋動が不確実で、弾丸の軌道は整正を欠き、鉛套が弾体破片に粘着し、飛散を妨げ、弾丸の威力を損じるという欠点があった。そのため、次第にすたれていった。日本では明治10年銅帯式弾丸が採用されるとともに廃止された。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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