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銀の弾丸[ぎんのだんがん] 銀の弾丸(ぎんのだんがん、)とは銀で作られた弾丸で、西洋の信仰において狼男や悪魔などを撃退できるとされ、装飾を施された護身用拳銃と共に製作される。 == 概要 == 現代においては文字どおりの弾丸を意味するものではなく、狼男や悪魔を1発で撃退できるという意味から転じた比喩表現として用いられる場合が多い。例えば、ある事象に対する対処の決め手や特効薬、あるいはスポーツで相手チームのエース選手を封じ込める選手などを表現する場合に用いられる。また、ソフトウェア工学の分野においては、フレデリック・ブルックスが1986年に発表した論文で"No Silver Bullet(銀の弾丸など無い)"というフレーズを用い、全ての問題に通用する万能な解決策などは存在しないと論じたことから、理想論的なソフトウェア設計について否定的な意味で用いる例もある。 銀には高い殺菌作用があるほか、ヒ素化合物の1つである硫化ヒ素(具体的には雄黄・雌黄など)と反応して黒変する性質があるため、古くから病をもたらす未知の存在へ対抗する手段として経験則的に知られている〔特に中世ヨーロッパでは食物へのヒ素混入による毒殺を防ぐため、王侯貴族の間で銀製の食器を使用することが流行した(「武蔵野大学薬学部特別講演『薬剤師への道標』」第2回 佐谷圭一 2004年4月8日)。〕。こうした背景から、通常の弾丸では通用しない吸血鬼や狼男、魔女なども銀の弾丸なら射殺できるとされ、伝説やフィクションの世界で多用される存在となった〔『ウルフェン』、『マトリックス・リローデッド』、『怪奇ミステリー』、『二人兄弟』など。〕。対象の弱点が銀でない場合でも、単純に攻撃力の増大を目的として配備される場合もあるが、科学的な裏付けの存在しない物語上の理由である。 現実における銀は弾丸として用いるには高価な金属なので、宗教的・象徴的な存在としてのみ用いられる。銃規制の比較的緩い国で銀の弾丸が製造される例が無いわけではないが、お守りやジョーク商品に近い存在である。銀の弾丸を使用したとしても、銀の比重は10.49と鉛の比重(11.36)よりも軽く、一般的な鉛の弾丸と比べて優れた殺傷力が得られるわけではない。しかし、弾丸の比重が軽いということはその速度が増すということでもあるので、一般的な銃弾の速度に対応できるような生物の存在を仮定すれば、それに対する命中率が向上する可能性はある。ただし、銀より比重の軽い金属は数多く存在する(鋼鉄は7.87、真鍮は8.45など)ため、比重の軽さを目的にあえて高価な銀を使用する理由はない。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「銀の弾丸」の詳細全文を読む
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