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鎌倉仏教 : ウィキペディア日本語版
鎌倉仏教[かまくらぶっきょう]
鎌倉仏教(かまくらぶっきょう)とは、平安時代末期から鎌倉時代にかけて興起した仏教変革の動きを指す。特に浄土思想の普及や禅宗の伝来の影響によって新しく成立した仏教宗派のことを「鎌倉新仏教」(かまくらしんぶっきょう)と呼称する場合がある。しかし、「鎌倉新仏教」の語をめぐっては後述のように研究者によって様々な見解が存在する(→ ''「鎌倉仏教論」'' 節)。
== 概要 ==

鎌倉時代にあっては、国家的事業として東大寺はじめ南都の諸寺の再建がなされる一方、12世紀中ごろから13世紀にかけて、新興の武士や農民たちの求めに応じて、新しい宗派である浄土宗浄土真宗時宗日蓮宗臨済宗曹洞宗の宗祖が活躍した(このうち、浄土宗の開宗は厳密に言えば、平安時代末期のことであるが、鎌倉仏教ないし「鎌倉新仏教」に含めて考えられる)。この6宗はいずれも、開祖は比叡山延暦寺など天台宗に学んだ経験をもち、前4者はいわゆる「旧仏教」のなかから生まれ、後2者は中国から新たに輸入された仏教である。「鎌倉新仏教」6宗は教説も成立の事情も異なるが、「旧仏教」の要求するようなきびしい戒律学問寄進を必要とせず(ただし、禅宗は戒律を重視)、ただ、信仰によって在家(在俗生活)のままで救いにあずかることができると説く点で一致していた。
これに対し、「旧仏教」(南都六宗、天台宗および真言宗)側も奈良時代鑑真が日本に伝えた戒律の護持と普及に尽力する一方、社会事業に貢献するなど多方面での刷新運動を展開した〔松尾(1995)pp.82-87〕。そして、「新仏教」のみならず「旧仏教」においても重要な役割を担ったのが、官僧天皇から得度を許され、国立戒壇において授戒をうけた仏僧)の制約から解き放たれた遁世僧(官僧の世界から離脱して仏道修行に努める仏僧)の存在であった〔〔松尾(1995)pp.19-47〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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