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10A型エンジンは、マツダ㈱が開発・製造した初めての量産用直列2ローターのガソリンエンジンである。 1967年にマツダ・コスモ(初代目:L10A)のエンジンとして、搭載された。 尚、「10A」という名称は、総排気量の982ccを1,000ccと見なしての「10」と、1番目に開発された事から「A」を合わせ取った言葉である。 13Aを除くマツダのロータリエンジンは、すべてこの10Aのロータ半径と偏心量を踏襲している。 == 基本構成 == 1967年のコスモ・スポーツに搭載されたロータリエンジン(RE)の概要を下記に記す。以降のREは、この概要に対して改良を加えていった。 *ローターハウジング :アルミダイカストで製造され、ロータの摺動面となるトロコイド面には、潤滑性を向上させるためクロムめっきを素材のアルミの上に直接施されている。 *アペックスシール :REの開発で一番のネックとなった部品である。 :アルミを含浸させたカーボン材を使用して自己潤滑性を確保している。 :シールの幅は、6mmで一体式を採用している。 *ロータ :ダクタイル鋳鉄製で、後のエンジンより多くのシール材が使用されている。サイドシールは、幅1mmで2重。オイルシールは3重になっている。 :ロータの片側には、スプリングピンで取り付けられた内歯歯車を備え、サイドハウジングに固定される外歯歯車と噛み合う位相歯車機構を構成して、ロータの回転運動を規制する。この歯車機構の影響で、出力軸の回転数は、ロータの回転数の3倍になり、ロータ頂点はロータハウジングの内面形状(ペリトロコイド曲線)を動く。ロータの回転力は、ロータ内のベアリングから出力軸へ伝達される。 *サイドハウジング :アルミの鋳造品で、ロータの摺動面に耐摩耗性確保のため炭素鋼層が溶射されている。ロータの歯車設置側には、外歯歯車が固定されている。 *吸気ポート :低速トルクを確保するために、サイドポートとしてサイドハウジングに吸気ポートを1ロータあたり2個ずつ設置(サイドハウジングに1個ずつ設置) *排気ポート :ペリフェラルポートとして、ロータハウジングのトロコイド面に1ロータあたり1個ずつのポートを設置 *キャブレター :4バレル・キャブレターを1個設置。吸気ポートは、1個ずつ各バレルとダイレクトにつながり、他のポートの影響を受けないようになっている。 :4バレルキャブレタは、低速域ではメインバレルのみ(2バレル使用)/高速域ではメインとセカンダリの両方(4バレル使用)から混合気を供給する。 :アペックスシールの潤滑用として、キャブレタのアクセル開度と連動したメタリングポンプで、エンジン負荷に応じたオイルを混合気に供給している。 *出力軸 :炭素鋼の鍛造シャフトを使用。出力軸の軸受は、出力軸の前後2ヶ所のみで、ロータ間にはない。 :出力軸の中には、ロータの潤滑と冷却を兼ねたオイルジェットの通路を持つ。なお ロータの冷却をオイルでおこなうため、マツダREにとってオイルクーラは必需品になる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「マツダ・10A型エンジン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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