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1973年のロードレース世界選手権は、FIMロードレース世界選手権の第25回大会である。4月にフランスのポール・リカール・サーキットで開幕し、ハラマ・サーキットで開催された最終戦スペインGPまで、全12戦で争われた。 == シーズン概要 == 東ドイツGPが世界選手権のカレンダーから外れ、この年のグランプリは全12戦となった。ただし第5戦のマン島TTのリザルトには他のグランプリとは異なるライダーが名を連ねており、これは多くのレギュラーライダーや主要なワークスチームがマン島のマウンテン・コースを「危険なコース」であるとして出場を見合わせた結果である。この傾向は、マン島TTが世界選手権から外れるまで続くことになる〔『二輪グランプリ60年史』(p.105)〕。また、イタリアGPでは後述の250ccクラスのスタート直後に発生したアクシデントの影響により、250ccクラスと500ccクラスのレースがキャンセルされた。 この年は、前年にワークス活動を再開したヤマハがいよいよ500ccクラスにワークスマシンを投入したシーズンである。重要なマーケットであるアメリカ最大のロードレース、デイトナ200で勝つために350ccを二つ並べた並列4気筒700ccのマシンを開発していたヤマハは、それと並行して同じシャーシを使った500ccマシンの開発も進めており、この500ccワークスマシンYZR500を前年の250ccチャンピオンであるヤーノ・サーリネンと日本のエースである金谷秀夫の2人に託して開幕戦フランスGPでデビューさせたのである〔『サーキットの軌跡 世界ロードレースGPの歴史』(p.121 - p.123)〕〔吉村誠也『YAMAHA YZR500 Archive 1978 - 1988』(2005年、大日本絵画)ISBN 4-499-22866-2(p.7)〕。 しかし、印象的なYZR500の登場以上に、この年はモンツァ・サーキットでグランプリ史上最も大きなアクシデントが起きたことで記憶されるシーズンとなってしまった。第4戦イタリアGP、250ccクラスのスタート直後に起きた事故は15台を巻き込む多重クラッシュとなり、ヤーノ・サーリネンとレンツォ・パゾリーニという2人のトップライダーが同時に死亡するという未曾有のアクシデントとなったのである。直前に行われた350ccクラスのレースでコース上に撒かれたオイルが処理されていなかったのが原因だとも言われているこの事故で、500ccクラスのエースに抜擢したばかりのサーリネンを失ったヤマハはこの年のこれ以降のレースへのワークスチームとしての出場を見合わせ、翌年までYZR500がグランプリを走ることはなかった〔『二輪グランプリ60年史』(p.109)〕。 その一方、この年はヤマハが水冷の市販マシン、TZシリーズのリリースを開始した年でもあった。TZ250/350は空冷のTD/TRと比べて最高出力などにはそれほどの違いは見られなかったが水冷化によって信頼性・安定性が大幅に向上しており、瞬く間にヨーロッパ中のロードレースを席巻することになった。特にTZ350は350ccクラスのみならず、わずかな排気量アップで500ccクラスや国内選手権の750ccクラスなどの上位クラスに出場するライダーが続出した〔『YAMAHA RACING GLORY Since 1955』(2009年、八重洲出版)ISBN 978-4-86144-133-2(p.114 - p.115)〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「1973年のロードレース世界選手権」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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