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1992年のロードレース世界選手権は、FIMロードレース世界選手権の第44回大会である。 == シーズンの概要 == 1992年は多くのライダーが怪我に苦しんだシーズンであった。中でもロスマンズ・ホンダのミック・ドゥーハンは、前半7戦中5戦に勝利してこのまま初タイトルを獲るかと思われた矢先、アッセンで行われたダッチTTの予選でクラッシュして足を骨折し、シーズン最後まで苦しむことになる。ヤマハのウェイン・レイニーは1991年の最終戦に骨折した大腿骨が万全でない状態でシーズンに望んだが、ドイツGPでの大きなクラッシュのため、続くダッチTTを欠場することになった。スズキのケビン・シュワンツも満身創痍となったシーズンであり、イタリアGPで1勝を挙げるのが精一杯であった。ワイン・ガードナーは日本GPでの足の骨折やドイツGPでのクラッシュにより前半6戦をノーポイントに終わった。その一方でエディ・ローソンはハンガリーGPでカジバにグランプリ初勝利をもたらし、ルーキーのアレックス・クリビーレはアッセンで500ccクラス初勝利を飾った。結局、我慢のレースを重ねたウェイン・レイニーが3年連続チャンピオンを獲得した。 この年、レイニーはコースの安全性向上を主催者に訴えるためのライダーの団体、International Motorcycle Racers' Association (IMRA) を立ち上げた。ミシュランは前年のロスマンズ・ホンダ1チームのみへのタイヤ供給から方針を転換し、ホンダ、スズキ、ヤマハのそれぞれのワークス・チームへのタイヤ供給を再開した。 ホンダはこの年、各気筒の点火タイミングを不等間隔とした画期的なエンジン、通称「ビッグバン」エンジンをデビューさせた。これはそれまでの等間隔爆発エンジンが2ストローク500ccのピーキーで強大なパワーにより簡単にホイールスピンしてしまうのに対し、点火間隔を広くとってその間にグリップを回復してトラクションをかせぐというものであった。その効果は絶大で、他メーカーもすぐに追従することになる。ヤマハは第9戦には同仕様のエンジンをデビューさせ、スズキもシーズン中盤には実用化していた(ただし、シュワンツは最初は使おうとしなかった)。「ビッグバン」の概念は今日の4ストロークのMotoGPマシンにも受け継がれている。〔『Honda Motorcycle Racing Legend vol.2』八重洲出版 ISBN 978-4-86144-091-5 より〕 ポイントシステムは前年に引き続いで変更となり、それまでの上位15位までから完走上位10位までが入賞となった。 250ccクラスでは、ホンダのルカ・カダローラがアプリリアのロリス・レジアーニとピエール・フランチェスコ・キリの猛追を退け、2年連続のタイトルを獲得した。初参戦のマックス・ビアッジは南アフリカGPで初勝利を飾っている。一方125ccクラスでは、アレッサンドロ・グラミーニがホンダのファウスト・グレシーニを破ってアプリリアに初タイトルをもたらした。 この年のレースカレンダーは、アメリカ、チェコスロバキア、ユーゴスラビア、オーストリアの各ラウンドが削られ、前年の全15戦から全13戦に短縮された。一方で新たに南アフリカGPが加えられ、ヨーロッパGPは引き続いて開催されている。 1992年シーズンをもって引退したライダーの中には、元250ccチャンピオンのカルロス・ラバード、元500ccチャンピオンのワイン・ガードナー、そして4度の500ccチャンピオンに輝いたエディ・ローソンがいる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「1992年のロードレース世界選手権」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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