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2K12 クープ( ドヴァー・カー・ドヴィナーッツァチ・クープ)は、ソビエト連邦で開発された自走式の中・低高度防空ミサイル・システム。NATOコードネームでは、SA-6 ゲインフル(:儲かる)と呼ばれる。名称の"クープ"()とは「3乗」の意味で、ミサイルを3発搭載することに由来する。 == 概要 == 本車は、地上部隊を敵航空機の攻撃から守る中・低高度を目標とする自走防空システムとして1958年に開発が始まった。 車体は、ASU-85空挺戦車のコンポーネントを流用した装軌式の2P25と呼ばれるもので、ここに3発の3M9地対空ミサイルを横一列に搭載したミサイルランチャーを搭載する。2P25は、同時代の対空戦車であるZSU-23-4 シルカでも使用される。 3M9地対空ミサイルは、一段式の固体ロケット・ラムジェット統合推進を搭載しており、機体後部に操縦翼、機体中ほどに大きめの安定翼を持ち、その隙間を埋めるように4基の空気取り入れ口が斜めに突き出している。弾頭は59kgの高性能火薬で、最大有効射程は24,000メートル、最大速度はM2.8に達する。最大有効高度は12,000メートルで、それ以上の高度は2K11 クルーク(SA-4 ガネフ)自走地対空ミサイルシステムなどが担当する。 また、航空機搭載ECMによるジャミング(電磁妨害)への対策として、ある程度のECM耐性を備えると共に、レーダー波が届かなくなった時のために画像誘導を可能にしている。 もちろん、戦場においてミサイル発射車両である本車だけで行動するのではない。敵機の捜索・捕捉およびミサイルの誘導用に出力25kW、捜査範囲75kmのG/H帯火器管制レーダーを搭載した支援車両は、1S91( アヂーン・エース・ヂヴィノースタ・アヂーン)と呼ばれる。2P25 ランチャー車両から発射された3M9 ミサイルは、1S91 レーダー車両によりセミアクティブレーダー誘導される。 部隊は、通常4両のミサイル発射車両、1両のレーダー車、および4両の予備ミサイル3発と積載用クレーンを搭載した2T17運搬/再装填用トラックにより構成される。 本車は、1967年の革命記念パレードにおいて初めて一般に公開された。 本車は他国にも輸出され、輸出型はZRK-SD 2K12E クヴァドラートと呼ばれる(「ZRK-SD」とは、「師団自走対空ロケットシステム」を表すロシア語の頭文字)。なお、「クヴァドラート(Квадрат)」とは、ロシア語で正方形のことである。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「2K12」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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