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2R仮説(にアールかせつ)あるいは大野の仮説(おおののかせつ)とは、大野乾(1970) によって初めて提唱された、ゲノミクスおよび分子進化上の仮説で、脊椎動物では進化の初期段階で全ゲノムの重複が1回以上起こり、その結果その後の脊椎動物ゲノムは始原ゲノムの多倍数体となっていると考える(全ゲノム重複)。論争を呼んだ仮説である〔DNAの大事件! 生命進化の謎 〕。仮説の呼称は1994年には「2 rounds of duplication(2回重複)」仮説とされていたことに基づき、1999年に2R仮説と呼ばれ始めたようだ。重複回数に変異はあるが典型的な回数である2回を指してなお2R仮説と呼ばれる。〔Karsten Hokamp, Aoife McLysaght, and Kenneth H. Wolfe, "The 2R hypothesis and the human genome sequence", ''Journal of Structural and Functional Genomics'', vol. 3, pp. 95-110 (2003). ''Hokamp, et al.'' によれば、2R仮説の呼称が使われはじめたゲノム重複仮説の論文は: * Holland, P.W.H., Garcia-Fernandez, J., Williams, N.A. and Sidow, A. (1994) "Gene duplications and the origins of vertebrate development". ''Development'', Suppl. 1994, 125--133. ''Hokamp, et al.''によればこの呼称は次の論文でも用いられている: * Hughes, A.L. (1999) "Phylogenies of developmentally important proteins do not support the hypothesis of two rounds of genome duplication early in vertebrate history". ''Journal of Molecular Evolution'', 48, 565--576.〕大野が『Evolution by Gene Duplication(遺伝子重複による進化)』でこのことを最初に記述して以来、この仮説をめぐって広範な研究が引き起こされたが、ヒトゲノムからの最新データをもってしても、なお論議が絶えない。 == 大野の考察 == 大野はこの仮説の原形を、進化における遺伝子重複の重要性に一般性があることを重厚な議論で示す中でその一部として提示した。ゲノムサイズの相対的な違いに基づき、大野は魚類あるいは両生類の祖先種が少なくとも1回おそらく複数回4倍体進化を行ったと考えた。彼はのちに、この議論に、脊椎動物の大部分の重複遺伝子には遺伝的連鎖がない証拠を付け加えた。大野によれば遺伝的連鎖は個々の遺伝子が直列重複(タンデム重複)を行う場合(遺伝子が同じ染色体上でその近くに重複して付加される)に期待されるが、染色体が重複を起こす場合には遺伝的連鎖は期待できない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「2R仮説」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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