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583系 ( リダイレクト:国鉄583系電車 ) : ウィキペディア日本語版
国鉄583系電車[こくてつ583けいでんしゃ]

国鉄583系電車(こくてつ583けいでんしゃ)は、日本国有鉄道(国鉄)が設計・製造した動力分散方式寝台電車交直両用特急形電車。最初に使用された列車にちなんで「月光形電車」とも呼ばれる。
== 登場の背景 ==
寝台設備を持つ動力車は、20世紀初頭にアメリカインターアーバン(都市間電車)や1950年代中頃に西ドイツの寝台気動車VT10.5形など数例が見られ営業運転も行われていたが、静粛性の問題や昼夜兼行とする経済的メリットが存在しなかったことから、いずれも少数・短期間にとどまった。本格的な寝台電車は本系列が世界で最初のものである。
本系列の開発の経緯は、以下に示す日本の鉄道の特異性が関係していた。
* 地形が複雑で勾配や曲線の多い日本においては、1960年代初頭より昼行列車は加・減速性能や上り勾配での速度に優れている電車ないしは気動車による動力分散方式が一般化してきた一方で、夜行列車は一部が動力分散方式に切り替えられたものの寝台車については静粛性の観点から従来どおり機関車牽引の客車で運行される動力集中方式が一般的であり、高速化には限界があった〔日本の鉄道は、幹線でも軌道が弱い区間やカーブが少なくなく、機関車牽引による高速運転は難しかった。そこで速度向上を図れる電車方式の方が有利だった。〕。
* 1960年代に入ると好景気による輸送需要増大に伴い全国的に優等列車の増発が進められた。この過程で運転本数が多くなった急行特急列車に対し、運行する車両を留置する車両基地の容量の問題が浮上してきた〔車両の保守や留置を行うための検修設備や留置線が不足しており、できるだけ無駄な時間を省き回転効率を上げる必要があった。〕。
* さらに車両の新規製造コスト捻出が問題化していた〔昼行用電車と夜行用客車の保有は、製造・メンテナンスコストの点からも不利で共通化が可能なら採用が検討された。〕。
これらの解決策として、昼夜兼行で使用可能な寝台兼用電車を設計することになったものである。
当初は寝台車の接客設備水準から昼行列車では急行列車の運用が想定されていたが〔当初の設計案ではナハネ10形を基本とし、昼行列車運用を考慮して座席に肘掛けを設けるなどの改良をする方向で検討されていた。〕、昼行運用が平均時速が遅い急行列車で使用する場合十分な転換時間が得られないことや居住性を考慮すると「Bロネ〔プルマン式開放形1等寝台(現・開放形A寝台)。当時の1等寝台は3等級時代の流れからA・B・Cの3クラスに区分されており、プルマン式開放形は1等寝台Bクラスに該当していたため「Bロネ」と通称されていた。〕の3段化」が望ましいが大幅な定員減〔設計検討時の定員は45名。当時の特急用寝台車ナハネ20の定員は54名。〕であり収入減となるなどの理由から、特急形電車として設計された〔2等寝台を基本にしたものと、中段の収納方式が異なる2種類のプルマン式開放形1等寝台を3段化した、計3種類のモックアップにより比較検討が行われた。〕。その結果として以下のメリットが発生した。
* 寝台列車としては当時の日本の在来線では最速の120km/h〔1968年10月1日ダイヤ改正以前は110km/h。〕での走行が可能。
* 朝夕のラッシュ時に通勤用車両がフル稼働して余裕のある車両基地で寝台設備の解体・組立を行うことにより新規の地上設備投資を抑制。
* 昼夜兼行形車両とすることで、1日により多くの車両運用が可能になり投資に対する費用対効果を向上。
* 主に首都圏・近畿圏での早朝到着の列車を電車化することでダイヤカット(列車の運転間隔の短縮)に寄与。
こうして1967年昭和42年)に電動車が直流・交流60Hz対応の581系電車が登場。翌1968年(昭和43年)には電動車が直流・交流50/60Hz対応となり、これを機にそれまでの581系グループも含めて583系電車となった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「国鉄583系電車」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 583 series 」があります。




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