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マルチバルブ(Multi-valve)とは、4ストロークエンジンの動弁機構において、1気筒あたりに3個以上のポペットバルブを用いるものを指す。近年の自動車用エンジンでは、吸気および排気にバルブを2個ずつ設けた4バルブ形式が主流となっている。 == 概要 == レシプロエンジンの高出力化には、高回転化、摺動抵抗の低減、吸排気効率の改善などが図られる。体積効率の向上にはポペットバルブの大径化も有益だが、動弁系の慣性質量が増大し高回転化の妨げとなるうえ、密封性などに問題を生じる。そのため1910年代後半以降は、特に大出力が追求される航空機用やレーシングカー用のエンジンにおいて、従来の吸気側および排気側に1個ずつバルブを設ける2バルブ形式に代わって、3個以上のバルブを設けようとする試み(マルチバルブ化)が行なわれてきた。 マルチバルブでは2バルブ形式に比べてバルブの有効開口面積が広がり、バルブリフト量が少なくて済むため、ショートストローク化と併せて高回転化が可能になる。その反面、構造が複雑化して部品点数が増える、適合するボア径や回転域が限られるといったデメリットも挙げられる。 市販車では最多で5バルブ〔例外として、ホンダ・NRの8バルブが存在する。5バルブについては、吸気を3バルブ、排気を2バルブとしたものが主流であるが、少数ながら排気を3バルブとしたものも存在する。〕(下記参照)のものが市販化されている。しかし、4バルブに比べて燃焼室形状が偏平で表面積の広い多球状にならざるを得ないため、熱損失が増す、火炎伝播が良くないなどの問題点がある。中でもポート形状の不統一から吸気が乱流になり、気筒内にタンブル流(縦の渦流)を作りにくく、燃焼制御の妨げになる事が忌避された。これらの理由により、市販車では製造コスト増に見合う効果が得られにくいと判断された結果、現在では高性能エンジンも含めて4バルブが主流となっている。 4バルブエンジンの吸気側2バルブを大小に分けた物もあり、同じ径のバルブを2本用いるよりもバルブ面積を大きく出来る場合があり、吸気効率が改善される一方、部品点数が増えてコスト増となる。 一方で、最新の設計のエンジンであっても、ホンダのように小排気量エンジンでは4バルブを用いず、より摩擦や熱損失の少ない2バルブ〔i-DSIを参照。〕を採用している例もある。 排ガス対策の一環などで燃焼効率を改善させる為、吸気2バルブ、排気1バルブという変則的なバルブレイアウト(3バルブ)のエンジン(トヨタ・2E型/3E型エンジン、日産・GA15S型/GA15E型エンジン、日産・KA24E型エンジン、ごく一部の日産・RD28型ディーゼルエンジン、ホンダ・ES型エンジン、一部の三菱・4G13型/4G15型エンジン、一部のスバル・EK23型エンジン等)も存在した。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「マルチバルブ」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Multi-valve 」があります。 スポンサード リンク
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