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66式鉄帽(ろくろくしきてつぼう)は、自衛隊で使用されている戦闘用ヘルメットである。陸上自衛隊の他、海上自衛隊などでも使用される。現在は後継の88式鉄帽の調達が行われている。原型となったM1ヘルメット同様、合金製で純粋な鉄製ではない。外帽は指名契約で川崎製鉄(現JFEスチール)製造。中帽は契約入札による。 == 概要 == 原型は第二次世界大戦や朝鮮戦争、ベトナム戦争などで米軍が使用したM1ヘルメットである。M1は警察予備隊や保安隊にも供与されており、これをベースに若干の改良を行い、1966年に制式採用されたのが66式鉄帽である。 米軍のものと同様に中帽(ライナー)と外帽(シェル)の2重構造になっている。米軍のM1に外見は似ているが、ツバの形状が若干長くなっている。また、M1がアメリカ人、特に最も多数派の白人のアングロサクソン系成人男性の頭部に最も適合するように設計された為、前後に長く大多数の日本人の頭部には安定性が悪いという問題点があったため、中帽のインナーが改良されている〔韓国軍などのアジア地域の軍隊でも、このM1を採用した国が多いが、自衛隊の場合と同様、頭部によく適合しないという問題が発生している〕。 材質はM1に準じた高マンガン鋼が用いられている。この材質は戦前の大日本帝國陸軍制式の九八式鉄帽や九〇式鉄帽、或いは同時期に欧州の軍隊で用いられていた鉄帽のニッケルクロム鋼に比較して柔軟である反面、ブルドーザーの刃やレールのジョイントにも用いられるなど、生産性や資源量の点で優位に立つ。戦前の鉄帽が自身の硬度で命中した弾丸を破壊して貫徹を予防する設計であるのに対して、高マンガン鋼の66式やM1は命中した弾丸を自身の柔軟性を利用して凹みながら受け止める設計となっている。この為、戦前の鉄帽のように略帽の上に直接小さめの鉄帽を被るのではなく、中帽の上に大きな(隙間の大きい)鉄帽を被る二段構えの構造となっている。64式7.62mm小銃の設計者の一人であり、66式の対射撃試験を担当した伊藤眞吉によると、66式には「試験弾丸が命中した際に穿孔してはいけないが、1-1/2インチ(約38ミリ)以下の凹みで弾丸を受け止めればよい」という性能要求が科されたという〔伊藤眞吉 「鉄砲の安全(その4)」『銃砲年鑑』10-11年版、117頁、2010年〕。 中帽の材質は樹脂の単純な金型成形で作られており、内装も異なる〔外帽と中帽の両方で耐弾性能を高めると言う発想はそれほど強くなく(ただし、米軍のM1でも、浅い角度で入った敵弾が両者の間の隙間を廻って外に抜け、命を救った例はある)、軽作業時の安全帽以上の役目は中帽にはないが、逆にこのことが、車両乗車時など非戦闘時における中帽のみの着用を許可し、快適性を保ちつつ頭部の保護を可能にした。これは88式鉄帽が行き渡った部隊においても66式の中帽が利用されていることにも顕著である〕。中帽及び外帽の重量の合計は約1.4キログラムである。なお、前述の伊藤の記述によると、中帽は鉄帽を被せた状態で試験弾丸を受けた際に鉄帽の凹みに伴う衝撃を吸収し、「着弾による亀裂は生じて良いが、衝撃で破片が飛散してはならない」事が性能要求に科されたという。高速で飛散する破片は樹脂といえども頭部に大きな損傷を与えうる為である。 1988年に新型の88式鉄帽が採用されたが、現在でも66式を完全に更新するにはいたっておらず、大臣・陸幕・方面直轄の後方職種や学校、教育隊、予備自衛官などで使用される。88式が配備された部隊でも、二重構造を廃し単一構造とした88式には中帽が存在しないことから、66式の中帽(一部では新設計の中帽,2形に更新)が軽作業用に使用され続けている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「66式鉄帽」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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