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80cm列車砲(80センチれっしゃほう)は、第二次世界大戦でドイツ陸軍が実用化した世界最大の巨大列車砲である。クルップ社製で、総重量約1350トン(1500トンの説もあり)、全長42.9m(全砲身長含めば47.3m)、全高11.6m。二両のみ製造され、一両目がクルップ社会長グスタフ・クルップの名前からグスタフ (シュベーレ・グスタフ:ドイツ語:Schwerer Gustav:重いグスタフ)、二両目が設計主任エーリヒ・ミューラーの妻の名前から取られたドーラ (Dora) の名を持つ。 == 概要 == マジノ要塞の攻略を目的に、軍の依頼を受けたクルップ社で1934年から開発が始まり1940年に製造されたが、実戦に参加したのは1942年のセヴァストポリ要塞攻囲戦、スターリングラード攻防戦など数回であるとされている。セヴァストポリ戦ではグスタフが要塞に対して16キロの距離から48発を発射した。またこの戦闘にはカール自走臼砲も参加した。この砲は本来3両造られる計画だったが、3両目は完成しなかった。 砲は砲身長32.48m、砲口径80cmのカノン砲であり、射程距離は30 - 48km(砲弾によって異なる)。砲弾は榴弾が4.8トン、ベトン弾が7.1トンと巨大であるために装填に時間がかかり、発射速度は1時間に3、4発。砲弾の輸送のために専用の貨物列車が必要であった。ライフリングの宿命として100発程度の使用で400トンある砲身の交換が必要になった。台車は大型の貨車を4両(台車8台)使用し、射撃陣地に敷設される専用線路はレールが4本〔この上を走行するのは列車砲1両のみであり、車両がすれ違いも並走もしないので複線ではない〕 が必要であった。さらに、組み立て時には4本のレールに加え輸送用の貨車の走る通常の軌道、これらの6本のレールをはさんで1本ずつ敷設される組み立て用クレーンの走行するレールの計8本のレール〔複々線ではない〕 が必要となった。発射の反動は5軸10輪の台車8台で駐退復座装置とあわせて吸収した。 砲を稼動させるには、砲自体の操作に約1,400人、防衛・整備等の支援に4,000人以上の兵員と技術者が必要であり、それらを統括する指揮官の階級は少将であった。砲の移動には専用のディーゼル機関車2両を使用し、長距離の移動の際には分解されて運ばれた。その巨大さ故に運用には多大な時間がかかり、実際の砲撃に先立つ整地、レールの敷設、砲の移動、組み立てなどに数週間を要した。 当列車砲は、要塞攻略等その運用に適した戦闘においては圧倒的な破壊力を示した。当時これに替わりうると考えられていた航空機による爆撃には離着陸の時間や天候、防御と命中精度の問題があったが、当列車砲の場合、敵航空機による攻撃がなければ確実に敵を制圧するだけの攻撃をすることが可能であったからである。しかし、既述のとおり極めて使い勝手の悪い兵器であり、またドイツが制空権を失ったため実力を発揮する場面は少なかった。グスタフ・ドーラともに連合国軍の手に落ちるのを嫌って、ドイツ軍自ら破壊している。 なおグスタフ/ドーラは、カノン砲としては世界最大であるが、単純に砲口径だけで比較すれば、世界最大なのはアメリカ軍が製造したリトル・デーヴィッド(「Little David」)迫撃砲の36インチ(91.4cm)砲である。ただし、砲身長や砲重量、砲弾重量などの点で言えば、カノン砲であるグスタフ/ドーラの方が遥かに巨大である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「80cm列車砲」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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