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エアバスA300-600/600R (''Airbus A300-600/600R'') とは、ヨーロッパ(欧州連合内の4カ国)の国際共同会社エアバス・インダストリー社 (Airbus S.A.S.) が開発したエアバスA300シリーズの最後のモデルとなった旅客機である。 == 概要 == 1984年に就航したA300-600は、同じくA300シリーズの名を名乗っていてもエアバスA300B2/B4に採用された3人乗務ではなく、航空機関士 (FE) が必要なアナログ計器主体のシステムから、A310で採用され、その実績が認められた2人乗務機のグラスコックピットを採用した、全く新しいシステムの航空機として誕生した。そのA300-600の最大離陸重量を増加させたモデルが、A300-600Rである。 機体自体も、巡航時の空気抵抗を軽減させるウィングチップを主翼端に新設し、航続距離の延長の補助をしたり、複合材の使用量の増加、アビオニクス更新などを積極的に盛り込んだ結果、機体の重量軽減・座席の増加が可能になった。 エアバス社では当時、200〜300席クラスの旅客機でも、さらに航続距離の長いモデルも、各航空会社から要求があると判断し、A300-600の開発時点で、既にA310-300で実績のあった燃料系統システムを採用、水平尾翼内に、燃料タンクを増設した。 A300-600Rの開発当時は、まだ双発機(エンジンが2基)の洋上飛行には、厳しい制限が課せられていた。十分な長距離飛行は理論上でも可能であったが、時代がそれを許さなかった。米国連邦航空局と、JAA(欧州合同航空公団)が認可を行う、当時のETOPSというルールでは、双発旅客機のエンジン1基が何らかのトラブルで停止し、エンジン1基のみでの飛行する場合の飛行可能な時間が定められていたのである。 まだ現在に比べ、エンジンの信頼性が低かったため、当時の双発旅客機は、直近の空港から60分以上離れたところを飛ぶことは認められなかった。その為、太平洋・大西洋などの大洋や、北極を最短距離で横断飛行するような航路に、双発旅客機を就航させることは出来なかった。 後に、エンジンの信頼性と安全性が技術革新と共に高まると、A300-600Rも、ETOPS-180(エンジン1基のみでも、飛行できる時間が180分あるという証明)を取得し、本格的な安全性の高い洋上飛行も可能になった。ETOPSも、現在新たに提案されて進められているLROPSに代わる可能性がある。 1980年代は、ETOPSの規制緩和が進んでいた時代ではなく、当時のエアバス社がA300-600Rの航続距離の延長を1,000kmしか図らなかった。A300シリーズ旅客型の最終号機は、2002年11月に日本エアシステムに引き渡されたJA016Dである。 こうして世代交代の波と共に、A300旅客型は生産終了となったが、現在でも世界中の空で、A300シリーズは活躍している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「エアバスA300-600」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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