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AAM-2 : ウィキペディア日本語版
AAM-2[あーむつー]

AAM-2は、日本が独自開発した空対空ミサイル航空自衛隊の採用を目指したが、制式採用には至らなかった〔新空対艦誘導弾”ASM-3”,宮脇俊幸,「軍事研究」,2013年6月号,P38-50,株式会社ジャパン・ミリタリー・レビュー〕。
== 開発経緯 ==
1968年に航空自衛隊の次期主力戦闘機としてF-4Eの改修型が選定された〔第059回国会 内閣委員会 第8号 昭和四十三年十一月十二日(衆議院) 〕。そこでは、AIM-4Dファルコン・ミサイルの搭載が選定理由の一つに挙げられている。
1969年に69式空対空誘導弾が制式化したことにより、1970年よりF-4搭載用空対空ミサイルとしてXAAM-2の開発が開始された〔。技術研究本部三菱重工による開発であり〔Flight international,9 October 1976,P1150 〕〔The Illustrated Encyclopedia of Twentieth Century Weapons and Warfare,Purnell & Sons,1967–1969&1977,P22 〕、性能は、AIM-4Dを超えることを目標としていた〔。
誘導方式はAIM-4Dと同じく赤外線ホーミングを採用しているが、限定的ではあるものの敵機前面や側面からも攻撃できる全方位攻撃型の赤外線ホーミングを採用し、高性能ロケットモータの使用による運動性や射程の向上が図られていた。また、AIM-4Dと比較して弾頭威力を向上、近接信管も装備されており、モデルのAIM-4Dの問題であった小さな弾頭と近接信管の未装備といった問題を解決していた。そのほか、電子機器の信頼性向上が図られていた〔防衛庁技術研究本部二十五年史 防衛庁技術研究本部創立25周年記念行事企画委員会〕。そのため、AAM-2は外形こそモデルのAIM-4に酷似しているものの、全くの別物と言ってもいいものであった。
XAAM-2は発射試験も実施し、実用化の前段階までこぎつけた〔〔三菱重工名古屋航空機製作所二十五年史,三菱重工業株式会社名古屋航空機製作所,1983年,P184〕。しかし、ベトナム戦争後に余剰となっていたアメリカ製のAIM-4Dと比較するとすると、性能面では上回るがコスト面で太刀打ちできなかったため、これを輸入することとし、航空自衛隊に装備することとなった〔。このため、XAAM-2は1975年(昭和50)に開発中止となっている〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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