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アダルトチルドレン(Adult Children)とは、「機能不全家庭で育ったことにより、成人してもなお内心的なトラウマを持つ」という考え方、現象、または人のことを指す。頭文字を取り、単にACともいう。 == 概要 == 一般には、「親からの虐待」「アルコール依存症の親がいる家庭」「家庭問題を持つ家族の下」で育ち、その体験が成人になっても心理的外傷(トラウマ)として残っている人をいう〔斎藤学『アダルトチルドレンと家族 心のなかの子どもを癒す』学陽書房、1996年〕。破滅的、完璧主義、対人関係が不得意といった特徴があり、成人後も無意識裏に実生活や人間関係の構築に、深刻な影響を及ぼしている。信田さよ子によれば、ACは自己認知の問題であり、診断的に与えられる言葉ではない。 語の発祥は「Adult Children of Alcoholics(アルコール依存症の親の元で育ち、成人した人々)」であった。この言葉は、1970年代、アメリカの社会福祉援助などケースワークの現場の人たちが、自分達の経験から得た知識により作り出したものであり、学術的な言葉ではなかった。その後、アメリカのソーシャルワーカー、クラウディア・ブラックの研究により、単にアルコール依存症の親の元で育った子どもだけでなく、機能不全家庭で育つ子どもが特徴的な行動、思考、認知を持つと指摘された。この考えは、「Adult Children of Dysfunctional Family(子どもの成育に悪影響を与える親のもとで育ち、成長してもなお精神的影響を受けつづける人々)」というものであり、現在もっとも広く支持されているアダルトチルドレンの定義となっている。 1990年、精神科医マーガレット・ラインホルドが''How to Survive in Spite of Your Parents:Coping with hurtful childhood legacies''を発表し、日本では1995年に翻訳書の『親から自分をとり戻すための本―「傷ついた子ども」だったあなたへ』〔マーガレット・ラインホルド『親から自分をとり戻すための本―「傷ついた子ども」だったあなたへ』朝日文庫〕が出版された。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「アダルトチルドレン」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Alcoholism in family systems 」があります。 スポンサード リンク
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