翻訳と辞書
Words near each other
・ ADC シーラス
・ ADC航空53便
・ ADC航空53便墜落事故
・ ADDICT OF THE TRIP MINDS (アルバム)
・ ADDRESS (アルバム)
・ ADEN (機関砲)
・ ADF-GLS検定
・ ADFGVX暗号
・ ADFX-01/02 (架空の軍用機)
・ ADGZ装甲車
ADHDに関する論争
・ ADH不適合分泌症候群
・ ADH分泌不適切症候群
・ ADOデン・ハーグ
・ ADP-グリセロマンノ-ヘプトース 6-エピメラーゼ
・ ADP-リボシル-(二窒素レダクターゼ)ヒドロラーゼ
・ ADP-リボシルアルギニンヒドロラーゼ
・ ADPホスホグリセリン酸ホスファターゼ
・ ADPリボシル化
・ ADPリボース


Dictionary Lists
翻訳と辞書 辞書検索 [ 開発暫定版 ]
スポンサード リンク

ADHDに関する論争 : ミニ英和和英辞書
ADHDに関する論争[ADH]
=====================================
〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

ADH : [ADH]
 ADH : AntiDiuretic Hormone
に関する : [にかんする]
  1. (exp) related to 2. in relation to
: [せき, ぜき]
 (suf) honorific added to names of makuuchi and juryo division sumo wrestlers
関する : [かんする]
  1. (vs-s) to concern 2. to be related 
: [ろん]
 【名詞】 1. (1) argument 2. discussion 3. dispute 4. controversy 5. discourse 6. debate 7. (2) theory 8. doctrine 9. (3) essay 10. treatise 1 1. comment
論争 : [ろんそう]
  1. (n,vs) controversy 2. dispute 

ADHDに関する論争 : ウィキペディア日本語版
ADHDに関する論争[ADH]
ADHDに関する論争(ADHDにかんするろんそう)では、ADHD(注意欠陥・多動性障害)に関する論争について記述する。
ADHDに関しては、その医学的診断と実態の曖昧さにより、多くの論争が起きている。DSM-IV-TRにおいては行動障害と分類されているが、発達障害者支援法において規定されたこともあり、日本では発達障害の一種と認識されている。
== 障害としての曖昧さ ==
マイケル・ムーアは、映画シッコにおいて、重篤な疾患を抱えた大勢の国民が治療を受けられずに放置されているなか、あなたは不安症ではないか、注意欠陥障害ではないか、とメディアが国民の不安を煽る現状にも触れている。
日本では1997年11月、朝日新聞神戸連続児童殺傷事件に関し、ADHDが犯罪に関連するかのような印象を与えたと、精神発達指導教育協会などから謝罪を求められ、紙面で謝罪している。1999年には7月22日付けの『女性セブン』28号に、精神科医和田秀樹が、学級崩壊とADHDの関連性などに関して述べ、親の愛情不足の影響に言及したため、当事者団体や当事者家族から抗議を受け、愛情不足が原因と言ったのではなく、影響が大きいのだと反論した。和田は又、DSM-IVによる診断では、生物学的な原因以外でも診断がおりる可能性に言及している〔ADHDについての私の見解(99/8/2) (和田秀樹のヒデキワダ・ドットコム)〕。2008年に出版した本では、より明確に、これまで発達障害と思われていたが必ずしも生物学的でないものとしてADHDを挙げている。生物学的で先天性であれば、これほどの急な増加の説明がつかず、社会的な要因によるものと考えるほうが自然であり、具体的には、親の育て方が変わったことが、ADHDを増やしている可能性があると説く〔和田秀樹「精神科医は信用できるか」祥伝社p.67,68〕。
9歳から15歳までの215人を調べた調査では、生後1年間におけるたんぱく質エネルギー低栄養と、15歳までの注意欠陥に、相関関係があることを示している〔Galler JR, Ramsey F. "A follow-up study of the influence of early malnutrition on development: behavior at home and at school" J Am Acad Child Adolesc Psychiatry. 28(2), 1989 Mar, pp254-61. PMID 2494148〕。
ADHDと犯罪の可能性に関しては、確かに行為障害が発現しやすいと言われるが、精神科医のピーター・ブレギンは、ADHD自体は、教室で教師を悩ます行動の全リストに過ぎないと言う〔http://www.breggin.com/〕。
また、精神科医のサイモン・ソボは、ADHDを持つ人の殆どは、楽しいことをしているときは問題なく集中しているため、生物学的脳障害ではないのではないかと論じる〔ADHD and Other Sins of Our Children (Simon Sobo, MD)〕。
しかし、こういった、ADHDの医学的な実体に異を唱える各見解を、アメリカ精神医学会アメリカ心理学会、米国医師会、米国小児科学会は拒否している〔Alan D. Bowd "'Curing' ADHD" Skeptical Inquirer May/June 2006 p.51 〕。
ADHDは神経学的なものと言われているが、正確な原因は不明なままであり、様々な原因により症状を引き起こす障害であることはほぼ間違いない。
1990年、アメリカ国立精神衛生研究所(NIMH)のアラン・ザメトキンは、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン:en:The_New_England_Journal_of_Medicine Wikipedia英語版の記事〕に、運動前野と上前頭前皮質におけるブドウ糖の低代謝と成人の多動を関連づける研究を発表した。3年後、ザメトキンらは、Archives of General Psychiatry誌〔:en:Archives_of_General_Psychiatry Wikipedia英語版の記事〕で、青年に同様の研究を試みたが良い結果を得られなかったことと、最初の研究も良好ではなかったことを発表した。多動な脳におけるブドウ糖の代謝率が、注意力の問題における原因なのか結果なのかもはっきりしないという〔Alan Zametkin et el., "Brain Metabolism in Teenagers with Attention Deficit-Hyperactivity Disorder," Archives of General Psychiatry, vol.50, May 1993, pp.333-340.〕。
1998年11月、アメリカ国立衛生研究所(NIH)のADHDコンセンサス会議では、カリフォルニア大学小児科学教授であったジェームス・スワンソンが、ADHDの子供の脳が普通の子供の脳といかに異なるかをスライドで示した。そのとき聴衆の中から児童神経科医のフレデリック・ボーマン〔:en:Fred_Baughman Wikipedia英語版の記事 フレデリック・ボーマン〕が、異常もしくは変わった脳と言われている子供の何人が、精神治療薬にさらされているかと聞いた。脳の異常は精神治療薬で引き起こされるのではないかという疑問だ。スワンソンは、異常な脳は全て精神治療薬を服用している子供の脳だと答えた。
2007年11月には、Proceedings of the National Academy of Sciences誌〔:en:Proceedings_of_the_National_Academy_of_Sciences Wikipedia英語版の記事〕のオンライン版に、NIMHのフィリップ・ショウ、ジュディス・ラポポートらの研究で、ADHDの子供たちは前頭前皮質における脳の発達が他の普通の子供たちより3年遅れていると発表された〔Brain Matures Late in Kids With ADHD (ABC news, Nov. 12, 2007)〕。
研究が進むなかで、将来的には脳の画像を見て障害の診断をすることがあるかもしれないが、現在の診断は行動観察と家庭や学校などの情報に基づき臨床的に行われている。以前は微細脳障害と呼ばれていたが、脳障害を確定することができないので、状態を表す診断名となっているのである〔『精神保健福祉用語辞典』(中央法規出版、2004年)〕。
日本では、発達障害者支援法により、ADHDを含む発達障害の早期の発見は責務とされているが、乳幼児健康診査での発見方法なども自治体任せであり、必ずしも専門家ではない地域の小児科や保健士が研修を受けながら手探りで行っている。1歳半や3歳では判断が難しく、五歳児健診を取り入れる自治体もある〔「1歳半が怖い母親たち」『AERA』(2007年11月26日号)、40~41頁。〕。長野県駒ヶ根市では、五歳児健診を始めてから、教育相談の教師が就学支援委員会の結果を受けて保護者に説明するため、通常級にどうしても行かせたいと言う親が減ったという。その五歳児健診では、発達障害を専門としない医師が、診察と告知という重責を担う。滝医師曰く、一番難しいのが、軽いADHDの子供。検査を受けなさいと言われても、まったく困っていない保護者にとっては寝耳に水で、大半は拒絶する。医者の人格批判をしたり、人権侵害と言うことまであるという〔「駒ヶ根市における特別支援教育」『教育ジャーナル』(2007年12月号)8~18頁。〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ADHDに関する論争」の詳細全文を読む




スポンサード リンク
翻訳と辞書 : 翻訳のためのインターネットリソース

Copyright(C) kotoba.ne.jp 1997-2016. All Rights Reserved.