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芳香族炭化水素受容体(ほうこうぞくたんかすいそじゅようたい、英:Aryl Hydrocarbon Receptor、AhR)とはbHLH-PAS(Basic Helix-Loop-Helix-Per-Arnt-Sim)ファミリーに属する転写因子である。AhRは同ファミリーの中でも発見が最も古い分子であり、ほとんどの細胞・組織に発現が見られる。リガンドの結合により種々の遺伝子の転写活性化を引き起こすが、これまで長らくAhRの内因性リガンドは発見されていなかった。現在ではインディゴ(Indigo)やインディルビン(Indirubin)という化合物がAhRに結合して尿中に排泄されること〔Adachi J, Mori Y, Matsui S, Takigami H, Fujino J, Kitagawa H, Miller CA, Kato T, Saeki K and Matsuda T.(2001)"Indirubin and Indigo are potent aryl hydrocarbon receptor ligands present in human urine."''J.Biol.Chem.'' 276,31475-8. PMID 11425848〕、ジオスミン(Diosmin)などの食餌性分子がAhRに対して結合能を有することがそれぞれ報告されている〔Ciolino HP, Wang TT and Yeh GC.(1998)"Diosmin and diosmetin are agonists of the aryl hydrocarbon receptor that differentially affect cytochrome P450 1A1 activity."''Cancer Res.'' 58,2754-60. PMID 9661887〕。 == 構造 == AhRタンパク質はbHLH-PASファミリーと呼ばれるグループに属する転写因子であり、機能発現に重要ないくつかのドメイン構造を有する〔Burbach KM, Poland A and Bradfield CA.(1992)"Cloning of the Ah-receptor cDNA reveals a distinctive ligand-activated transcription factor."''Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.'' 89,8185-9. PMID 1325649〕〔Fukunaga BN, Probst MR, Reisz-Porszasz S and Hankinson O.(1995)"Identification of functional domains of the aryl hydrocarbon receptor."''J.Biol.Chem.'' 270,29270-8. PMID 7493958〕。アミノ基末端側にはbHLHドメインが存在し、塩基性でDNAとの結合に関与している領域(b、Basic(塩基性)に由来)と二量体の形成に関与するHLHドメインに分けられる。またAhRは200-350アミノ酸残基にまたがっている2つのPASドメインを持ち、それぞれPAS-AおよびPAS-Bと呼ばれる。これらはAhRの輸送体として働くARNTに加えてショウジョウバエの遺伝子であり、概日リズムの調節に関与するPeriod(Per)および中枢神経系の発達に重要なSingle Minded(Sim)の構造と相同性を有する〔Ema M, Sogawa K, Watanabe N, Chujoh Y, Matsushita N, Gotoh O, Funae Y and Fujii-Kuriyama Y.(1992)"cDNA cloning and structure of mouse putative Ah receptor."''Biochem.Biophys.Res.Commun.'' 184,246-53. PMID 1314586〕。一方、AhRのカルボキシル基側領域は転写活性化において重要であると考えられている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「芳香族炭化水素受容体」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Aryl hydrocarbon receptor 」があります。 スポンサード リンク
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