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AK-74 : ウィキペディア日本語版
AK-74

AK-74:、ラテン文字転写:、「カラシニコフの1974年型自動小銃」の意)は、1974年ソビエト連邦軍が従来のAK-47系列の後継として採用したアサルトライフルである。AK-74にはGRAUコードで6P20/6П20が付与されている。
本稿では、その派生型についても記述する。
== 概要 ==
AK-74は、1974年ソビエト連邦軍が採用したアサルトライフルで、従来のAK-47系列に替わるものである。
内部構造はAKMを踏襲し、口径を5.45mm(使用弾薬5.45x39mm弾)に小口径化している。ベトナム戦争で、北ベトナム軍および南ベトナム解放民族戦線(ベトコン)などは大口径のAK-47系列を使用したのに対し、アメリカ軍などは小口径のM16系列を使用した。AK-47の7.62x39mm弾は高いストッピング・パワーを持つものの、連発時の反動が強いために着弾点が安定しにくく、また弾丸質量が大きいため弾道が安定せず山なりの軌跡になるという欠点を有していた。これに対しM16の5.56x45mm弾は口径が小さく、弾頭が軽量であるため、連発時の反動は比較的小さく、命中精度も安定している。弾丸の径が小さく初速が速いためボディアーマー人体などを貫通しやすくなる。フルオート機能を有する自動小銃は多量の弾薬を消費するため、小口径化により携行、輸送できる弾薬量の増加、あるいは軽量化の観点からも有利となる。
これらの小口径弾の利点が世界的に波及しており、アメリカの小口径化につづきソビエト連邦も5.45x39mm弾を採用したが、貫通力があまりに高すぎると、人体などのソフトターゲットに銃弾が当たっても弾丸は運動エネルギーをほとんど失わず貫通してしまい、殺傷力はかえって下がってしまう。そこで、5.45x39mmの弾頭の内部に空洞を作り、ソフトターゲット命中時に弾頭の横転を引き起こす構造を採った。横転した弾頭はソフトターゲット内で回転運動を伴いながら進み、その運動エネルギーを十分に消費する事ができる。
人体に当たった場合、射入口は小さいが射出口が口径と比して大きく、筋肉血管を含む周辺組織に広い体積で損傷を与えるため、治療が難しく1978年-1989年アフガニスタン紛争に投入されたAK-74と5.45x39mm弾はアフガニスタン武装勢力から恐れられた。
この技術は西側にも影響を与え、現行の5.56x45mm NATO弾(SS109、M855)では、同様の構造が採用されている。
なお、カラシニコフ自身はこの小口径化については、「ベトナム戦争時にアメリカがM16を使い始めたために、ソ連軍の上層部が遅れをとってはならないと息巻き、その結果これまでと比較にならないほど大量の銃弾が戦闘につぎ込まれるようになった。7.62mm口径の銃にはまだまだ改良の余地があったのに残念」、と反対の立場であった〔撃つためのデザイン「AK-47」(2005年ヒストリーチャンネル製作・放映、原題:Tales of the Gun)〕が、軍の要求に応えてAK-74を完成させた。
AKMからの大きな変更点は小口径化の他、銃口に装着されるマズルブレーキが大型化されたことである。AK-74のマズルブレーキは他国のアサルトライフルと比較し複雑な内部構造を持ち、反動の軽減、発射炎の抑制の他、発射音を前方に拡散させる働きをもつ。またAM-47・AKMに比べて、ガスピストンへの発射ガス導入部と銃身との角度が垂直に近くなっている。
AK-74は、旧来のAK-47、AKMと外見が似通っているが使用弾薬は異なるため、弾倉の互換性を持たない。夜間や視界の悪い状況であっても適合弾薬がすぐ判るように、AK-74ではソリッド形状のストックに溝が入っている。
ソ連製小火器の例にもれず、同盟国にも供与やライセンス生産が認められたが、アフリカ中東アジア地域にはAK-74の配備によって余剰化したAK-47やAKMを供与したこと、旧式のAK-47やAKMとは弾薬の互換性が無いため従来の弾薬の在庫の廃棄や弾薬製造ラインの大幅な改修が必要であったことなどから、AK-74を使用しているのは旧ソ連構成国や旧ワルシャワ条約機構諸国以外ではキューバアンゴラシリアモンゴルベトナムなど比較的少数に止まっており、AK-47やAKMに比べると普及度が低い。旧共産国では改良型を含めて多数のAK-74が現役である。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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