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先行製品品質計画(せんこうせいひんひんしつけいかく、APQP:Advanced Product Quality Planning)とは、製品を企画、開発し量産に至るまでの手順やなすべき作業を、製品の品質を確保する〔ここで言う品質とは、様々な特性(例えば寸法)が要求事項を満たしている度合い(ISO 9000:2005 3.1.1)のことである。〕 という視点からまとめたものである。世界の完成車メーカー(OEM)の中でも、主にアメリカ系のOEMがAPQPの手順にそったスケジュール作りや体制づくりをサプライヤーに要求している。品質計画(Quality Planning)とは要求品質を達成するための目標を設定し、その目標を実現するための具体的な方法を計画することである〔ISO9000:2005 3.2.9〕 。APQPの基になっている考え方は、この品質計画を設計・開発が終わってから策定するのではなく、設計・開発の終了に先んじて品質計画を開始するということであり、これがAdvanced(先行)の意味である。APQPがどうあるべきものであるかということについてはAIAGの発行する手引書 ''ADVANCED PRODUCT QUALITY PLANNING (APQP) AND CONTROL PLAN Reference Manual'' (2013年現在の最新版は2005年に発行された第二版)に具体的に規定されている。 ドイツ自動車工業会(VDA)も製品および製造プロセスの設計・開発の手順をテーマにした手引書を発行しており、''VDA Band 4 Kapitel: DFSS'' がそれにあたる。DFSSとはDesign for Six Sigmaの略である(シックスシグマ参照)。 ==成り立ち== 1988年、アメリカでゼネラル・モータース、フォード、クライスラーの購買担当副社長が、サプライヤーに要求する品質マネジメントシステムおよび品質マネジメントの手法に関する共通の仕様や手引書を作成することに合意した〔QS-9000:1998, FOREWORD TO FIRST EDITION〕 。この合意の結果作成された手引書の一つが 'ADVANCED PRODUCT QUALITY PLANNING (APQP) AND CONTROL PLAN Reference Manual' である。1994年に初版が発行された。同時期に作成された生産部品承認プロセス(PPAP)、統計的プロセス制御(SPC)、測定システム解析(MSA)、FMEAの各手引書と合わせてファイブコアツールと呼ばれる。これらの手引書はそれぞれアメリカ自動車工業会(AIAG)から発行されている。 APQPは作成された直後はあまりサプライヤーの注意をひかなかった〔L. C. Thisse, p.73.〕 。しかし、このAPQPの手引書が発行されてからすぐ後に共通のサプライヤーに要求する品質マネジメントシステムの規格であるQS-9000が発行され、APQPもQS-9000によって参照するように要求されたのである。 2013年現在、QS-9000は廃止され、代わってISO/TS16949が自動車業界でサプライヤーに要求する品質マネジメントシステムの仕様となっているが、アメリカ系のOEMを中心に、APQPは現在でもISO/TS16949とセットにしてサプライヤーに求める品質マネジメントシステムの要求事項の一部としている。例えば、フォードはISO/TS16949の顧客固有要求事項第二章に、27の参照文書の一つとしてAIAGの発行するAPQPの手引書を挙げている〔ISO/TS FORD-Specific 2.Reference〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「先行製品品質計画」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Advanced product quality planning 」があります。 スポンサード リンク
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