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ASNARO(あすなろ、Advanced Satellite with New system Architecture for Observation、先進的宇宙システム)は、財団法人無人宇宙システム実験開発機構(USEF)と、その後継機関の一般財団法人宇宙システム開発利用推進機構(JSS)、NECが開発中の小型地球観測衛星シリーズ。 ==概要== ASNAROは、世界的な小型衛星の需要の高まりに対応するために開発されている人工衛星シリーズである。従来の地球観測衛星と比べて、寿命、観測幅、機能を限定することで、小型、軽量、低コスト、高分解能を両立させていることに特徴があり、最先端技術により従来の重量1~2トン級の地球観測衛星と較べて10分の1の開発製造費と2分の1の製作期間で同等の分解能を実現することを目標に開発されている〔ページ右側のINDEX「小型化等による先進的宇宙システムの研究開発(映像)wmv形式/8MB」 より 〕。 昨今は電子部品に関する技術の進展により小型衛星でも十分高性能な機器を搭載することができるようになりつつあり、小型衛星は大型衛星に較べて安価かつ短期間に製作が可能で、打ち上げロケットも小型で安価なものを使用できることから、災害監視や地図作成で活用するために特に経済力が不足する発展途上国からの需要が高い。また、小型衛星は先進国にとっても性能と価格と製作期間の面で十分に有用であることから、諸外国で研究開発が積極的に進められている。 こうした中、2007年に独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、海外輸出が出来る経済的に競争力のある人工衛星を開発することを目指して、メーカーなどから聞き取り調査を行い、安価・短期間で開発・製造できる、光学センサー分解能50cm以下・衛星重量約500kg・軌道高度500〜700km・衛星構成要素の共通化という衛星の基本仕様を導き出した。2008年にはNEDOの事業としてASNARO計画が開始され、NECが開発と製造を請け負う主契約者として選定された 〔ニッポン発小型衛星ビジネスの幕開け 、TELESCOPE Magazine〕。2010年からASNARO事業はNEDOを所管する経済産業省に移管され、NEDOと同じく経産省が所管するUSEFが、NECを管理・監督して開発を進める体制が整った。また地上運用系の開発と運用はパスコが選定された〔ASNARO衛星開発概要と今後 、USEF 2012年3月6日〕。 ASNAROの研究段階においてはJAXA(ISAS)の小型科学衛星「SPRINT」シリーズと共同で研究が行われており、この結果、両者共にNEC製の小型標準バス「NEXTAR」が採用されている。 ASNAROシリーズには400kg級の光学衛星と500kg級のレーダー衛星、途上国向けの入門機としての位置付けの100kg~200kg級の超小型光学衛星〔(SERVIS-3を参照)がラインアップされており、高度500km程度の低軌道を周回して地表を高分解能で観測することができる。光学衛星とレーダー衛星のセットでの運用は、情報収集衛星やだいちでも見られるように地球観測における常套手段である。 ASNARO-1は2014年11月6日にドニエプルでロシア国内のヤースヌイ宇宙基地から相乗りの東京大学と次世代宇宙システム技術研究組合のほどよし1号機、東京工業大学と東京理科大学のTSUBAME、九州大学のQSAT-EOS、大同大学と名古屋大学のChubuSatと共に〔【超小型衛星】Chubusat-1の打上後の状況 〕打ち上げられたが、ASNARO-2以降はイプシロンロケットで打ち上げる予定である〔Japan Delays Ansaro-1 a Year, Switches to Russian Rocket (SpaceNews) 〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ASNARO」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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