|
水素化アルミニウム(すいそかアルミニウム、aluminum hydride)またはアラン(alane)は、無色の固体で化学式がAlH3で表される無機化合物である。極めて酸化されやすく空気中で自然発火するため危険物第3類に分類されている。そのため研究室内で還元剤として有機合成に使われる〔Brown, H. C.; Krishnamurthy, S. ''Tetrahedron'' 1979, ''35'', 567.〕以外ほとんど見られない。 == 構造 == アランはポリマー構造をとり、その化学式はよく(AlH3)nと表される。アランは多数の多形体をとり、それぞれα-アラン、α’-アラン、β-アラン、δ-アラン、ε-アラン、θ-アラン、およびγ-アランと名付けられている。α-アランは立方晶または菱面体晶の形態ととるのに対し、α’-アランは針状結晶、γ-アランは結合した針の束状構造を作る。アランはテトラヒドロフランとエーテルに溶け、エーテルでの沈殿量はその調製法に依存する〔Lund, Gary K., Hanks, Jami M., Johnston, Harold E., US Patent and Trade Office, 2007, Pat. Application # 20070066839〕。 α-アランは、アルミニウム原子が6個の水素原子に囲まれ、別のアルミニウム原子とはそれで架橋されている構造で決定された。Al-H間の距離はすべて同じ172 pmで、Al-H-Alの角度は141°である。 α-アランは、最も熱的に安定な多形体である。β-アランとγ-アランは同時に合成され、熱するとα-アランに変わる。δ、ε、θ-アランはいろいろな結晶化条件で合成される。それらは安定ではないが、熱してもα-アランにはならない〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「水素化アルミニウム」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Aluminium hydride 」があります。 スポンサード リンク
|