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A級駆逐艦 (A class Destroyer) はイギリス海軍駆逐艦の艦級。1927年度海軍計画で8隻が建造、9隻目となるコドリントンは駆逐隊のリーダー(嚮導駆逐艦)を目的として機能を拡張して建造。サグネイ、スキーナの2隻は連邦内のカナダ海軍のために建造された。 == 設計 == A級は1926年度プロトタイプの駆逐艦アマゾン、アンバスケイドを元にした。プロトタイプから修正を意図した点は以下の通り。 ; 艦砲 : 全周防楯化(シールド)、速射性の向上(Quick Firing, ''QF'')、仰角の高角化(High-Angle, ''HA'')を盛り込んだB型砲塔へ変更。 ; 魚雷 : 3連装であった魚雷発射管を4連装にしてアズディク(ソナー)を装備し、高速の駆逐艦や掃海艇に頼っていた爆雷なども搭載。 ; 機関 : 別々になっていた巡航用の蒸気タービンを主タービンに換装し、港で停泊して機関を停止させた時でも艦内に電気を供給できるようにガソリン駆動の発電機を備える。 結果的に艦砲仰角の高角化は失敗して機能を加えられなかったばかりか、コスト削減のためほとんどの爆雷とアズディクを撤去することになり、A級はプロトタイプよりも約200トン重くなってしまった。速度は35ノットを出せたが、最大積載時はわずか31ノットしか発揮できなかった。それでもプロトタイプと比べれば改善された点として4連装魚雷発射管の装備は大きな前進であった。 3番艦のアケロンは重量と経済性を調べる実験に、高温高圧ボイラー(500 psi, 750)のパーソンズ・マーリン蒸気タービンを搭載した。アケロンの消費燃料は0.8 lb -1 馬力-1 時間-1で姉妹艦の0.6 lb-1 馬力-1 時間-1と比べて縮小した。判定は確定しなかったが、不運なことに海軍本部は保守的な決定を下し、従来の機関(300 psi / 600)搭載を維持した。そのため、バトル級駆逐艦(1942)で採用されて登場する1944年まで使用されることはなく、主要な海軍国に10年の遅れをとることになった。 コドリントンの設計は駆逐隊指揮官とそのスタッフとなる士官約47名を収容するため、A級が320 ft(98m)であったのに対して343 ft(105m)まで拡大された。5基目となる煙突の間に4.7インチ砲を追加し、39,000 shpの出力を得て37.7ノットまで出せた。しかし、それらの影響を受けて延長された船体はいくぶんか不便を生み、A級の標準的な旋回径より大きくなって小回りが効かなくなった。それらは駆逐隊の編成を難しくさせた。 カナダ海軍のサグネイ、スキーナは氷海での行動を想定して、艦首を被覆して重量化・強化するといった細かな改良を行った。イギリスのA級より全長を3フィート短くし、わずかに排水量が減った。2隻はJ・I・ソーニークロフト建築家の手によって特有の幅広い厚板をもつ煙突に設計された。
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