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C-17は、マクドネル・ダグラス(現ボーイング)社が製造し、アメリカ空軍が保有・運用する主力の軍用大型長距離輸送機。アメリカ合衆国製輸送機としてはC-130(ハーキュリーズ)シリーズと並ぶベストセラー機であり、旧ソ連が擁したアントノフ社という東側諸国向け輸送機製造業大手(ソ連崩壊後の現在はウクライナ企業となった)が先行した東西冷戦時代に、一時的な大規模輸送力不足が指摘された西側諸国の兵站維持に欠かせない戦略輸送機として登場し、冷戦終結後の1990年代から2000年代を代表する大型輸送機となった。 愛称はグローブマスターIII(Globemaster III)で、旧ダグラス・エアクラフト社の開発した輸送機C-74 グローブマスター・C-124 グローブマスターIIに由来している〔軍事研究2007年10月号「地球の裏へ急速空輸:C-5/C-17巨人機」〕。 == 概要 == C-17は、C-5戦略輸送機に近い大型貨物の長距離空輸能力と、C-130戦術輸送機並みの短滑走距離での離着陸が可能な性能を持つ大型輸送機である。 アメリカ空軍では、研究開発機を除く223機を航空機動軍団(AMC/Air Mobility Command)、太平洋空軍(PACAF/Pacific Air Force)、航空教育訓練軍団(AETC/Air Education and Training Command)、空軍予備役軍団(AFRC/Air Force Reserve Commnad)、州兵航空隊(ANG/Air National Guard)に配備しているほか、平和維持活動や人道支援による軍の海外派遣が世界的に増えたことからその長距離・大型輸送能力が評価され、他国でも採用が広がっていた。 しかし国際的な軍事費削減の動きなどを受け、2013年9月18日、ボーイング社は受注済みの22機が完成する2015年をもってC-17の製造ラインを閉鎖する計画であることを発表した。その後生産量に対して余剰分を新規発注する国家が現れ、カタールが新たに自国の空軍所属の政府専用機兼戦略輸送機として購入する契約がまとまった他、アメリカ国内からも中国脅威論が現実の問題として認識されるようになり、中東での多国籍軍による対テロ戦争が継続している事から生産の継続もしくは、C-5Mのように初期の生産分を近代化する改修工事工程を設ける提案がなされている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「C-17 (航空機)」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Boeing C-17 Globemaster III 」があります。 スポンサード リンク
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