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C10H17N3O6S ( リダイレクト:グルタチオン ) : ウィキペディア日本語版
グルタチオン
Chembox
|Reference=〔''Merck Index'', 11th Edition, 4369.〕
|ImageFile=Glutathion.svg
|ImageSize= 200px
|ImageFile2=Glutathione-3D-vdW.png
|ImageSize2= 200px
|IUPACName=(2''S'')-2-アミノ-5-
グルタチオン(Glutathione, GSH, Glutathione-SH)は、3つのアミノ酸から成るトリペプチドである。通常はあまり見られないシステインアミノ基グルタミン酸の側鎖側のカルボキシ基との間にアミド結合を有する。抗酸化物質の1つであるグルタチオンは、フリーラジカル過酸化物といった活性酸素種から細胞を保護する補助的役割を有する〔Pompella A, Visvikis A, Paolicchi A, De Tata V, Casini AF (Oct 2003). "The changing faces of glutathione, a cellular protagonist ." ''Biochem Pharmacol.'' 66 (8): 1499–503. doi:10.1016/S0006-2952(03)00504-5. PMID 14555227 .〕。また、グルタチオンは硫黄部位が求核性を有し、有毒な共役受容体にアタックする。
チオール基は、動物細胞では約5 mM以下の濃度において還元状態が維持されている。実際には、グルタチオンは電子供与体として作用することによって、細胞質性タンパク質中に形成されているあらゆるジスルフィド結合をシステインに還元する。このプロセスにおいて、グルタチオンは酸化型グルタチオン(GSSG, Glutathione-S-S-Glutathione)に変換される。グルタチオンは専ら還元型として存在することが知られているが、これは、酸化ストレスに曝されると、酸化型を還元型に変換する酵素(グルタチオンレダクターゼ)が構造的に活性化され、また誘導されるからである。事実上、細胞中の還元型グルタチオンと酸化型グルタチオンの比率は、しばしば細胞毒性の評価指標として科学的に用いられる〔Pastore A, Piemonte F, Locatelli M, Lo Russo A, Gaeta LM, Tozzi G, Federici G (Oct 2003). "Determination of blood total, reduced, and oxidized glutathione in pediatric subjects ". ''Clin. Chem.'' 47 (8): 1467–1469. PMID 11468240 〕。
また、グルタチオンは日本薬局方に収載された医薬品であり、また健康や美容の維持に有用であるとして、サプリメントとして販売されている。しかし、消費者として注意すべきことは、日本では医薬品扱いであるため、日本の事業者がサプリメントとして販売できないことと、その販売行為は薬事法違反になることである。
グルタチオンは、細胞内に 0.5〜10 mMという比較的高濃度で存在する。一方細胞外の濃度はその1/100から1/1000程度である。グルタチオンには還元型 (GSH) と酸化型 (glutathione disulfide, GSSG)(右図)があり、酸化型は、2分子の還元型グルタチオンがジスルフィド結合によってつながった分子である。細胞内のグルタチオンは、通常、ほとんど(98%以上)が還元型として存在する。本稿では、特に注記しない限り、「グルタチオン」は還元型(GSH)を指すこととする。
== 構造 ==
グルタチオンはグルタミン酸システイングリシンが、この順番でペプチド結合したトリペプチドである (L-γ-glutamyl-L-cysteinyl-glycine)。ただし、グルタミン酸とシステインの結合は通常のペプチド結合とは異なり、グルタミン酸側鎖のγ-カルボキシ基とシステイン主鎖のα-アミノ基からなる(γ-グルタミル結合)。このためグルタチオンは、ペプチドでありながら、ほとんどのプロテアーゼに対して耐性であり、分解されない。グルタチオンを直接分解できる酵素はγ-グルタミルトランスペプチターゼや、その近縁のごく限られた酵素のみである。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「グルタチオン」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Glutathione 」があります。




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