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ディート (DEET) は昆虫などの忌避剤(虫よけ剤)として用いられる化合物である。IUPAC名は ''N'',''N''-ジエチル-3-メチルベンズアミドだが、''N'',''N''-ジエチル-''m''-トルアミドとも呼ばれる。分子量 191.27。融点 −45 ℃、沸点 285 ℃で、常温では無色液体である。水には溶けにくくアルコールなどの有機溶媒によく溶ける。CAS登録番号 。消防法に定める第4類危険物 第3石油類に該当する〔法規情報 (東京化成工業株式会社)〕。 ==用途== 主な使用目的は皮膚に直接または衣服に塗布し、昆虫やダニによる吸血を防ぐことである。特にダニ(ツツガムシ病やライム病を媒介する)や蚊(日本脳炎、デング熱、ウエストナイル熱、マラリアなどを媒介する)に対する防御手段として高い有効性を示す。比較的安価であることもあり現在は世界中で使用されている。 ディートは第二次世界大戦中のジャングル戦の経験に基づきアメリカ陸軍で開発された。1946年に軍事用、1957年に民生用の使用が開始された。現在ほとんどの虫よけスプレーなどで、主成分として用いられる。昆虫が一般にこの物質の臭いを嫌うのであろうが、忌避作用の詳細はわかっていない。 この効果は昆虫に限らず、昆虫とは構造が全く異なるヒルやナメクジ等の一部にも有効である。 ディートは忌避剤として最も効果的で、効力も長持ちすることが示されている。ディート濃度が30%を超えるM3社製のUltrathonは、海外渡航において強力な効力を発揮するものとして日本でも処方されている。 研究から、人の健康には重大な影響を及ぼさないとされている。ただし人によってはアレルギーや肌荒れを起こすことがあり、動物実験で連続的大量摂取により神経毒性が見られたとの報告もあるが〔Abdel-Rahman, A.; Dechkovskaia, A. M.; Goldstein, L. B.; Bullman, S. H.; Khan, W.; El-Masry, E. M.; Abou-Donia, M. B. (2004). "Neurological deficits induced by malathion, DEET, and permethrin, alone or in combination in adult rats." ''J. Toxicol. Environ. Health. A'' 67 (4): 331–356. PMID 14713564 〕、ディートの危険性は上記のような感染症の危険に比較すれば極めて小さいとするのが一般的な評価である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ディート」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 DEET 」があります。 スポンサード リンク
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