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フェンサイクリジン(英:phencyclidine、フェンシクリジンとも)は、アリルシクロヘキシルアミン系の解離性麻酔薬である。1963年に麻酔薬としてセルニールの名称で認可されたが、麻酔から覚醒する際に妄想や突発的な暴力などの副作用のために1965年にはヒトへの使用が断念された〔。1967年より動物用麻酔薬のセルニランである〔。PCPの略称は、IUPAC名のphenyl cyclohexyl piperidineの頭文字からである。乱用薬物であり、向精神薬に関する条約のスケジュールIIに指定されている。俗称エンジェルダスト。 近似の物質に麻酔薬のケタミンがある〔。これら解離性麻酔薬は呼吸を抑制する副作用がない点では安全である。 ベンゼンとシクロヘキサン、ピペリジンが結合した化合物である。NMDA型グルタミン酸受容体に対してアンタゴニストとして働き、遮断する作用を示す。作用時間は4~6時間である〔。 後に、幻覚剤として乱用されるようになった。しばしば自分の肉体を離れるなど解離の感覚が生じる〔。乱用者の多くが統合失調症に類似した症状を呈するため、同障害のモデルとして使用されることがある。 ==歴史== 1952年に米国の製薬会社パーク・デービス社により麻酔薬として開発された。1963年に外科手術麻酔薬としてセルニールという名称で認可されたが、麻酔から覚醒する際に妄想や突発的な暴力などの副作用が起こることが判明したために1965年にはヒトへの使用が断念された〔レスター・グリンスプーン、ジェームズ・B. バカラー 『サイケデリック・ドラッグ-向精神物質の科学と文化』 杵渕幸子訳、妙木浩之訳、工作舎、2000年。ISBN 978-4875023210。62-65頁。''Psychedelic Drugs Reconsidered'', 1979〕。1967年から動物への麻酔薬としてセルニランという名称で販売されている〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「フェンサイクリジン」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Phencyclidine 」があります。 スポンサード リンク
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