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D2O ( リダイレクト:重水 ) : ウィキペディア日本語版
重水[じゅうすい]

重水(じゅうすい、heavy water)とは、質量数の大きい同位体の水分子を多く含み、通常のより比重の大きい水のことである。重水に対して通常の水 (1H216O) を軽水と呼ぶ。重水素と軽水素は電子状態が同じであるため、重水と軽水の化学的性質は似通っている。しかし質量が違うので、物理的性質は異なる〔浅野努ほか著、『第4版 化学―物質・エネルギー・環境』、学術図書出版社、1992年、項目「重い水と軽い水」より。〕。
通常の水は 1H216O であるが、重水は水素の同位体である重水素(デューテリウム: D, 2H)や三重水素(トリチウム: T, 3H)、酸素の同位体 17O や 18O などを含む。なお通常の水はH216Oが99.76%からなるが、H218O0.17%、H217O0.037%、HD16O0.032%などの水もわずかながら含まれている〔 長倉三郎ほか編、『』、岩波書店、1998年、項目「重水」より。ISBN 4-00-080090-6〕。
狭義には化学式 D2O、すなわち重水素二つと質量数16の酸素によりなる水のことを言い、単に「重水」と言った場合はこれを指すことが多い。別名に酸化重水素 (deuterium oxide, Water-d2) など。自然界では、D2O としての重水はほとんど存在せず、重水は DHO の分子式として存在する。
== 物理的性質 ==
D2O で表される重水の融点は3.82 = 276.97 K (1 atm)、沸点は101.43 = 374.58 K (1 atm) である。また密度は、1.105 g/cm3 (1 atm, 20 ) である。粘性は20 で0.00125 Pa·s
またO-D結合は同位体効果により、D2O は H2O よりも電気分解の速度が遅い。
このような軽水と重水の性質の違いを利用して、重水をわずかに含む天然の水から濃縮、分離することができる。
重水は、物質の溶解度電気伝導度電離度などの物性や反応速度が軽水とは異なる値を示す。それ故、飲料水などとして大量に(体重に対して数十%以上)摂取すると生体内反応に失調をきたす。重水中では魚類はすべて死に、植物は発芽しない。微生物は重水中でも培養できるものもある。


抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「重水」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Heavy water 」があります。




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