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DB601 ( リダイレクト:ダイムラー・ベンツ DB 601 ) : ウィキペディア日本語版 | ダイムラー・ベンツ DB 601[だいむらーべんつでぃーびー601]
DB 601は、ドイツのダイムラー・ベンツで開発・製造された航空機用液冷V型12気筒エンジン。第二次世界大戦において、ドイツ空軍のBf109に採用されたほか、イタリアのアルファロメオ、日本の川崎航空機(以下川崎)および愛知航空機(以下愛知)においてそれぞれライセンス生産され、イタリアのMC.202、日本の三式戦闘機など枢軸国側の航空機にも採用された。 == 概要 ==
DB 600の改良型であり、高圧縮低回転型で燃料事情の良くないドイツの国情に配慮する一方、燃料直接噴射ポンプの搭載、倒立V型気筒で発動機中央に機銃が通せる構造や、側面に装備されたフルカン式継手(流体継手)を用いた無段変速の過給機(実際は2速式であるが、通常の過給機と異なり1速と2速の間がフルカン式継手により無段階に変速できる)、ローラーベアリングの多用など、非常に高度で複雑な機構を多数採用している。これは製造の困難さや重量の増大も招いたが、高度な工作技術で克服、特に大戦前半にはライバル機に対する優位を保った。特にバトル・オブ・ブリテンの空中戦において、気化器を装備してマイナスGがかかるとガソリンが一瞬送られなくなるロールス・ロイス マーリンなどの英国戦闘機のエンジンに対して、そのようなことがない燃料直接噴射ポンプは効果絶大であった。 ちなみにTHE MERLIN IN PERSPECTIVEによると、マーリンエンジンのマイナスGによる息つき問題は、ファーンバラのイギリス空軍のキャブレター部分を担当していたMiss Shilling-Tillyにより発見された。Shilling嬢は、フロート針がコントロールできず、両方のポンプがキャブレターへの燃料の過剰な供給を突然行うのを発見した。となっている。日本においてもゼロG状態で燃料があふれる問題は解決された。 また倒立V型で中空構造のプロペラシャフトであることから、プロペラスピナーの中心から発砲できる機関砲「モーターカノン」の装備に対応していた。DB 601系を搭載するBf 109戦闘機用として当初エリコンMGFFが用いられたがトラブルが多く、後にマウザーMG 151 機関砲やラインメタルMK 108 機関砲、または少数のMK 103 機関砲が用いられた。 その一方で、倒立であるがためプロペラシャフトが下寄りになり、プロペラ径を大きくするためには脚を長くする必要があるなど、機体設計の面では不合理な構造であった。また、モーターカノンの装備は過給器の性能向上にとっては足枷となり、結果として後年DB系のエンジンは連合軍のエンジンに比べて高高度性能でハンデを負う事になった。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ダイムラー・ベンツ DB 601」の詳細全文を読む
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