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IBM漢字情報処理システム(アイビーエムかんじじょうほうしょりシステム)はIBMメインフレームで日本語を処理するためのシステムであり、最初の版が発表されたのは1971年で、その後中型機IBM System/34や、IBM 5550、DOS/Vにも拡張された。IBM漢字コードはIBMのメインフレームで使われる漢字コードで、後にIBM 5550、DOS/Vでも使用された。 == 概要 == IBM漢字情報処理システムは何回かの発表で、順次整備されていった。まず、1970年の大阪万博でその技術の一端が公開されたあと、1971年に初めて正式発表された。この発表には次のものが含まれていた。〔安岡孝一、安岡素子「IBM漢字情報処理システム」『文字符号の歴史 欧米と日本編』共立出版、2006年2月10日、pp. 119-123。 ISBN 4-320-12102-3 〕 〔 "IBM History of Far Eastern Languages in Computing, in 3 Parts" in IEEE Annals of the History of Computing, Volume 27 Number 1 ( January - March, 2005 )〕 * IBM 2345 漢字印刷機 * IBM 029 漢字穿孔機 * IBM System/360-System/370 OS/VS & DOS/VSE プログラミング・サポート 漢字穿孔機は左手で15シフトを操作し、右手で各シフトに対する240文字から選んで、2950種の文字をIBMカードに穿孔できるようになっていた。それまでは、IBMメインフレームでは英数字と半角カタカナのみの処理が一般に行われていて、これで日本語の一万余字を処理できる基礎ができた。 次に、より大規模な発表が行われて、1979年9月に日本語処理が一般化していった。 この発表には次が含まれていた。〔K. Hensch, Research and Development in IBM, History of Far Eastern Languages in Computing, 2nd private edition, Roehm TYPOfactory GmbH, Sindelfingen, Germany, 2004. ISBN 3-937267-03-4 (Available from Amazon.com, etc.)〕 ハードウェア * オフライン入出力 * IBM 5924 T01 漢字穿孔機(IBM 029 穿孔機の12シフトキー漢字キーボード付き) * オンライン端末 * IBM 3270 サブシステム * IBM 3274 model 52C 制御装置(漢字処理機能付き) * IBM 3278 model 52 表示装置(12シフトキー漢字キーボード付き) * IBM 3273 model 52 インクジェット・プリンター * システム・プリンター * IBM 3800-2 印刷サブシステム 漢字サポート・ソフトウェア * オペレーティングシステム * OS/VS * DOS/VSE * IBM 8100 DPPX * プログラミング言語 * COBOL * PL/I * DBCSサポート * IMS * CICS * ユーティリティソフトウェア これらはすべて標準製品で、IBM 029のみが特殊製品(RPQ)であった。 IBM漢字システムに関して、システム全体の計画・設計、日本語の文字コード配分、文字のデザイン、メッセージの翻訳などは日本IBMの藤沢研究所が中心となって行ない、海外の米国のIBMエンディコット研究所(IBM 029)、ポケプシー研究所(OS/VS)、キングストン研究所(IBM 3270、DPPX)、サンタテレザ研究所(IMS)、英国のハーズレイ研究所(CICS)、ドイツのボェブリンゲン研究所(DOS/VSE)などの協力もあった。〔同上〕 このあと、次のような発表も行われた。 * IBM 5250表示装置によるIBM System/34 漢字システム(1979年10月) * IBM 3273-053 漢字印刷機(1981年) * IBM 3200 漢字印刷機(1982年) * IBM 3270エミュレーション・IBM 5250エミュレーション * マルチステーション5550(1984年) * DOS/V(1991年) 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「IBM漢字システム」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 IBM Kanji System 」があります。 スポンサード リンク
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