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DDAC ( リダイレクト:ホンダ・1300#DDAC ) : ウィキペディア日本語版
ホンダ・1300[せんさんびゃく]

1300(せんさんびゃく)は、本田技研工業1969年から1972年まで生産、販売していた4ドアセダンおよび2ドアクーペの小型乗用車である。
== 概要 ==
2輪車軽自動車を主力であった本田技研工業が小型車市場に本格的に初進出した車種であり、前輪駆動(FF)や空冷エンジン、四輪独立懸架など、独創的な技術が盛り込まれていた。ボディの種類は、4ドアセダンと後に追加された2ドアクーペの2種で、型式はそれぞれH1300およびH1300Cである。バンピックアップといった商用車仕様は市販されなかった〔ただしバンは試作車が製作されており、東京モーターショウに参考出品されている〕。
1300最大の特徴としては、水冷よりも空冷を推す本田宗一郎の技術的信念〔後日談として、宗一郎が会社を引退するまで間、当車種を通勤用の車として使用し続けた。〕により、このクラスとしては、この当時でも珍しくなっていた空冷エンジンを用いていた点が挙げられる。また1300の設計と発売に関して藤沢武夫も不安視していたが〔複雑なエンジン設計による生産性の低さ、それによるコスト高など。〕、宗一郎にブレーキをかけることができなかった。
エンジンは、オールアルミ製 1,298cc 直4 SOHC 8バルブ クロスフローで、シングルキャブレター仕様で100PS/7,200rpm、4連キャブレター仕様は115PS/7,500rpmを発揮〔市販開始直後(1969年12月まで)の数値〕、この出力は当時の1.3L級エンジンとしては極めて優秀であり〔初期の99のカタログスペックは0-400m加速が16.9秒(77は17.5秒)、最高速度185km/h(77は175km/h)であった。〕、1.8 - 2.0L 並みであった。
最初で最後の採用となった後述するDDACと呼ばれる冷却方式は、通常の空冷エンジンのシリンダーブロックシリンダーヘッドの中に、いわば水冷エンジンのウォータージャケットにあたる冷却風通路を備えることから、「一体式二重空冷」の名を持つ。空冷エンジンを搭載するF1マシンであるRA302からのフィードバック〔1300と基本的に同じ冷却方式を持つRA302が唐突に出現してから1300が市販開始されるまでに1年程しか経過しておらず、市販車の開発と競技車の開発のどちらが先行していたかは定かでない。〕というのがセールスポイントであった。また、開発にあたっては、騒音が大きいなどの空冷の弱点の克服も目標とされ、DDAC方式の採用はそのためでもあった。しかし、高出力と冷却対策に採用されたDDAC方式やドライサンプ機構により、一般的な空冷エンジンに比べて構造が複雑となったため、重量増とコスト高が問題として生じた。そのため、簡単構造、軽量、低コストといった空冷エンジン本来の長所が薄れる結果となった。
このエンジンを採用したため、フロントまわりの重量が増加し、しかも発売当初のサスペンションスプリングとダンパーがソフトなもので、77の標準タイヤは細く剛性の低いクロスプライタイヤであったことから、アンダーステアやタックインといった挙動が現れやすかった。
後に追加されたクーペやマイナーチェンジ後のモデルでは、最高出力が引き下げられ、サスペンションも固められたことで徐々に改善されたが、エンジンの廃熱を利用する標準ヒーターの熱量不足〔北海道向けの車両にはエキゾーストマニホールドの排熱をブロアファンで強制的に室内へ引き込む強力ヒーターとグリルカバーが標準装備された。〕、大きい最小回転半径〔ほぼ同時期に販売されていた国産前輪駆動車、スバル・1000の最小回転半径(4.8m)は同じであった。初期のFF車としては平均的な性能である。〕などの問題は解決されなかった。なお、H1300系はPCDが120.0mmという特殊な規格のホイールハブ〔ホンダ以外では日野・コンテッサ1300、マツダ・コスモスポーツなども採用。〕を採用しており、これは145はもとより初代シビック・初代アコード・TNアクティ/アクティストリートまで継承された。
総生産台数は3年強の間に約10万6千台、このうち1053台が日本国外に輸出された。
エンジンやオイルタンクにアルミ合金が多用されていたことから、金属回収業者によって積極的に解体されており、現存数は非常に少ない。

File:h1300_99s_rear.JPG|99S リア
File:h1300e_99s.JPG|ケーヒン製のCVキャブレターを4連装する99Sのエンジン
File:h1300c_7s_rear.JPG|クーペ7S リア
File:h1300e_c.JPG|クーペ7DXのエンジン。手前に見えるのはカムシャフト直結の純正クーラーコンプレッサー


抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ホンダ・1300」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Honda 1300 」があります。




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