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電子線マイクロアナライザ(でんしせんマイクロアナライザ )または電子プローブ微小分析器、略称 EPMAとは電子線を対象物に照射する事により発生する特性X線の波長と強度から構成元素を分析する電子マイクロプロ-ブ(EMP)装置の一つである〔「‘電子プローブ・マイクロアナライザ’」(EPMAまたはEMPA)としても知られている「‘電子マイクロプローブ’」(EMP)は、固体素材の少量について非破壊的に化学組成を決定するために使われる分析的なツールである(:en:Electron microprobe)。〕。二次電子像や反射電子像による観察が主体の電子顕微鏡に特性X線検出器としてエネルギー分散型X線分析(EDS)を付加したもの(分析用のSEMやTEM、XMAなど)と比較して、EPMAは元素分析を主体としたものであり、特性X線検出器に波長分散型X線分析(WDS)を用いるために定量精度は良いが検出効率が悪く、より高い照射電流を必要とする。 10~30立方マイクロメータの試料があれば〔Wittry, David B. (1958). "Electron Probe Microanalyzer", US Patent No 2916621 , Washington, DC: U.S. Patent and Trademark Office. 英文〕ホウ素からプルトニウムまで100(ppm)を下限とする検出感度で定量的に分析出来る。 == 歴史 == EPMAの開発は蛍光X線分光器(XRF)の分析技術に密接に関連したものが先行した。この技術は1923年にゲオルク・ド・ヘヴェシーによって最初に提案されたが、それ以降は他の研究者によってそれ程の年数は採用されなかった。 1944年にミットは、電子顕微鏡と電子エネルギー損失分光計(EELS)を結合して電子マイクロプローブを確立した。電子エネルギー損失分光計は軽元素分析に非常に適していて、それにより、C-Kα殻、N-Kα殻、およびO-Kα殻の各電子殻から放出のスペクトルを得た。1947年に、ヒラーは、分析用の特性X線を発生させるために電子ビームを使うアイデアの特許を取得したけれども、作業モデルを組むことはなかった。彼のデザインでは、特定のエックス線波長を選別する結晶板と検出器としての写真の感光板からブラッグ反射回折を用いることを提案した。1948年 - 1950年に、によって監修されたはパリ大学で最初の電子マイクロプローブ( microsonde électronique:仏語 )を確立した。このマイクロプローブは10ナノアンペア(nA)のビーム電流によって1-3μmの電子ビーム径を生じ、サンプルから発生したX線を検出するために、ガイガーカウンタを使用した。しかし、ガイガーカウンタでは元素ごとに発生する特性X線を区別することができず、それで1950年には波長の識別を可能とするために、キャスティングが水晶をサンプルと検出器の間に追加した。ビームインパクトのポイントを見るために、彼はまた光学顕微鏡を追加した。その結果として、吸収と蛍光の影響に関するマトリクス補正ために理論的な枠組が確立されて、電子マイクロプローブは、キャスティングの1951年の博士号論文の主題として記述された(この論文で彼は電子マイクロプローブによる定量的な分析の理論の基礎と応用を固めた)。キャスティング(1921年-1999年)は電子微小分析の「父」と考えられる。 Cameca社(フランス)は1956年に最初の商業用の電子マイクロプローブ、「MS85」を生み出した。それは他社によってすぐに多くの電子マイクロプローブがフォローされることになったけれども、CamecaとJEOLとSHIMADZUを除けば、すべての会社が現在は廃業状態である。そしてまた多くの研究者が電子マイクロプローブを彼らの研究室に組み込んでいる。マイクロプローブへの重要なその後の改良と部分修正には、X線マップ(マッピング分析)を得るための走査電子線(1960年)、半導体式検出器(EDS)の付加(1968年)、および軽元素の分析のために合成多層回折結晶の開発(1984年)が含まれた。 近年では小型化が進む〔手のひらに載るほど超小型な電子線プローブX線マイクロアナライザーの開発に成功 〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「電子線マイクロアナライザ」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Electron microprobe 」があります。 スポンサード リンク
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