|
ETOPS(、イートップス)とは、民間旅客機の安全性確保のためのルールの1つである〔例えばUSDOTでは"Extended Range Operation with Two-Engine Airplanes"と表記しており、"ETOPS"の表記には幾つか存在する。〕。エンジンを2基しか持たない旅客機では、仮にそのうちの1基が飛行中に停止した場合でも一定時間以内に代替の空港へ緊急着陸することが可能な航空路でのみ飛行が許されるとして、国際民間航空機関 (ICAO) が取り決めたものである。緊急時にエンジン1基のみでの飛行する場合の飛行可能な時間を定めたものと言い替えることができる。 日本の国土交通省はETOPSを「双発機による長距離進出運航」と呼び、実施承認審査基準を設定している。 この規定は、新たに提案されたLROPS (Long Range Operational Performance Standards) に今後、置き換えられる可能性がある。 == 経緯 == ETOPS制定よりずっと以前のエンジンの信頼性が低かった時代において双発旅客機(エンジン2基)は、近くの空港から100マイルまで、1953年からは空港より60分以上離れたところを飛ぶことは認められていなかった。このため、大洋や北極を最短距離で横断するような航空路に双発旅客機を就航させることは許されなかった。エンジンの信頼性が高まると、エンジン1基のみで飛行できる時間を120分に延長することができるようになった。事前に認定を受けた双発旅客機に対して近くの空港から120分以内の距離の飛行ルートを認めたものが、ETOPS-120ルールである(ボーイング767が初)。燃費や整備費で経済性に優れた双発旅客機をより広範な路線に就航させたいという航空会社の要望に応えたこの規制緩和によって、従来の安全基準に対応するためにエンジンを3基や4基備えた旅客機のDC-10、トライスターなどは発注が減っていった。 その後、エンジンの信頼性がさらに向上すると、ETOPS-180やETOPS-207という規定が設けられ、航続距離の長い双発旅客機では、南極大陸など一部を除き地球上すべての地点を飛行できるまでになった〔参考文献:嶋田久典『世界の傑作旅客機50』ソフトバンククリエイティブ〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ETOPS/LROPS」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 ETOPS 」があります。 スポンサード リンク
|