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86(ハチロク)は、トヨタ自動車が富士重工業(スバル)と共同開発し、富士重工業が生産、トヨタ自動車が販売するFRレイアウトのスポーツカーである〔トヨタ・ダイハツ・富士重、開発・生産における新たな協力関係に合意 - トヨタ自動車・2008年4月10日〕。富士重工業からは姉妹車のスバル・BRZが販売されている。 なお、本項目では2009年の第41回東京モーターショーに出展した本車のコンセプトカーであるFT-86/FT-86 IIについても記述する。 == 概要 == 86は、走る楽しさを追及した「直感ハンドリングFR」のコンセプトを実現するために、小型・軽量・低重心・低慣性を特長として企画・開発された小型スポーツカーである〔TOYOTA、東京モーターショーに「86(ハチロク)」を出展 、トヨタ公式サイト 2011年11月27日〕。「お客様とともに進化する」スポーツカーを目指して、「86(ハチロク)」と命名された〔カローラレビン、スプリンタートレノの共通形式名AE86に由来するが、「数字2文字なんて車らしくない」との異論に対して、社内で使っていた開発コードが086Aで、AE86と同じ後輪駆動、更にエンジンやマフラーの直径が86mmという偶然もあり、決定的になった(原島由美子「キミの名は」朝日新聞2014年8月9日)。〕。これは、チューニングのしやすさから息の長い人気を誇るAE86型カローラレビン・スプリンタートレノ(ハチロク)の「自分だけの1台を楽しみながら育てる」精神を継承したことが由来である〔〔AE86へのインスパイアはあくまでコンセプトのみであり車格的には後継車ではない。サイズなどはAE86よりも一回り程度大きく、かつてのセリカに近い。〕。 2012年2月2日に発表され〔トヨタ、小型FRスポーツ「86(ハチロク)」正式発表、199万円から - Car Watch・2012年2月2日〕、同年4月6日から全国で発売された。これによりトヨタブランドのスポーツカーは2007年7月のトヨタ・MR-Sの販売終了以来5年ぶりの復活となり、また新型スポーツカーの発売も1999年10月のMR-S以来13年ぶりとなる。販売についてはトヨタ全販売チャネル(トヨタ店・トヨペット店・カローラ店・ネッツ店)での取り扱いとなるが、全国の各ディーラー(ただしネッツトヨタ東四国は除く〔本車種発表の時点でネッツトヨタ徳島への吸収合併が決定していたため。実際、2012年5月1日に合併された。〕)から選ばれた1店舗のみが「AREA 86 」として展示車・試乗車を設置し、専門スタッフを常駐させる。 若年層を狙いできるだけ低価格に設定されているが〔トヨタ「86」、若年層狙い低価格設定 13年に専用レース開催も 、Sankei Biz 2012年2月3日〕、メインターゲットは、かつてAE86に乗っていた、あるいは憧れていた40歳代から50歳代の男性。さらには将来の若年客層となるその子供にも訴求する〔トヨタ「FT-86 Concept」、新ハチロクの開発目標はドリフト性能世界一 、日経トレンディ 2009年10月26日〕。販売価格は、ベースグレードの「RC」で199万円、標準グレードの「G」で241万円、上級グレードの「GT」では279万円、最上級グレードの「GT “Limited”」は305万円となる〔トヨタ 86、価格は199万円から - Response.・2012年2月2日〕。 北米での名称はサイオン・FR-S。2010年6月18日に北米での市販車名はFR-Sが有力だと報道されており〔トヨタの新型FRスポーツ、車名はFR-Sか - Response. 2010年6月18日〕、2011年4月20日のニューヨーク国際オートショーにおいて『FR-Sコンセプト』の公開に伴い、サイオンブランドから販売されることが発表された〔SCION INTRODUCES FR-S SPORTS COUPE CONCEPT AT 2011 NEWYORK AUTO SHOW - SCION News & Press、2011年4月20日〕〔トヨタ自動車、ニューヨーク国際オートショーに小型FRスポーツカー「FR-S concept」を出展 - トヨタ企業サイト ニュース、2011年4月21日〕。なおサイオン版にも「86」のサイドエンブレムが採用されている。また、ヨーロッパ市場ではGT 86、韓国〔トヨタ「86」を韓国で6月発売 日本経済新聞2012年5月24日〕、マレーシア、インドネシア、オーストラリア、シンガポール、台湾、香港、マカオでは日本と同じ86の名称で発売される。また英語圏で非公式であるがスバル・BRZとあわせてtoyobaruと呼ばれている。〔Jeremy Clarkson Calls The Toyobaru 'One Of The Best Cars I've Driven In Ages' 〕 2012年3月16日から富士重工業(スバル)群馬製作所本工場で生産が始まった。86、FR-S、GT 86、スバル・BRZのいずれも同工場で一貫して生産される。 また、トヨタは、86を販売すると同時にソフト面でもスポーツカー文化を育てることを企てていて、86を発表した2012年2月2日に「86スポーツカーカルチャー構想」として7つのプロジェクトを発表し、ウェブ上でファンサイト「86 SOCIETY」(ハチロク・ソサエティ)を開設したり(登録にはFacebookアカウントが必要で、86オーナー以外も登録可能)、全国のお奨めの峠を選定する「86 峠セレクション」を実施したり、サーキットでのワンメイクレースを企画したりしている〔「GAZOO Racing 86 / BRZ Race」の開催概要が決定 、GAZOO Racing 2013年2月15日〕。それらの構想は、「スポーツカーは、カルチャーです。」というキャッチコピーからも窺える。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「トヨタ・86」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Toyota 86 」があります。 スポンサード リンク
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