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GFAJ-1
GFAJ-1とは、プロテオバクテリア門ハロモナス科に分類される細菌で、極限環境微生物である。この細菌を発見したNASAの発表によると、リンが不足した環境下で、一般的な生物にとっては有毒なヒ素を代わりに取り込む性質を持つと、当初発表された。しかし2012年になって、この説は否定的となった。 == 発見の経緯 == GFAJ-1はNASA宇宙生物学研究所のフェリッサ・ウルフ=サイモンによって発見された。モノ湖岸で採取されたこの細菌は、2009年から単離と培養が始まった〔。モノ湖は強いアルカリ性で、非常に塩分濃度の高い塩湖である。また、世界で最も天然のヒ素濃度が高い場所のひとつでもある。この発見は2010年12月2日に公表された。 16S rRNA系統解析の結果、GFAJ-1はハロモナス科〔、そしておそらくハロモナス属に属することがわかった。ハロモナス科の細菌の多くはヒ素に対して高い耐性を持つが、GFAJ-1ではリンが不足した環境で代わりにヒ素を用いて増殖することすらできるとされた〔。実験では、ヒ素が多くリンが少ない環境で培養したところ、リンが多い場合より成長が遅くなるが、6日間で20倍以上に増殖したとされた。 研究チームがヒ素の分布を追跡するため、放射線標識されたヒ素を加えたところ、ヒ素は細胞内のタンパク質、脂質、ATPのような代謝物質、さらにはDNAやRNAからも検出された〔と2010年に報告されたが、2012年にはScience誌上でヒ素がDNAのリンを置換する(2010年の報告の一番重要な部分)ことはないとほぼ断定されている〔http://www.sciencemag.org/content/337/6093/470.abstract〕〔http://news.nationalgeographic.com/news/2012/07/120709-arsenic-space-nasa-science-felisa-wolfe-simon/〕〔http://abcnews.go.com/Technology/startling-discovery-debunked-bacteria-survive-arsenic/story?id=17407576〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「GFAJ-1」の詳細全文を読む
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